【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】鈴木拓也さん(その1)東京、香港でプロとして活躍
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今週から、鈴木拓也さんについてのコラムが始まります。
⇒鈴木拓也さん(その1)東京、香港でプロとして活躍
⇒鈴木拓也さん(その2)4枚のモニターに映るのは
⇒鈴木拓也さん(その3)ライン分析で利益を伸ばす
⇒鈴木拓也さん(その4)リピート系やスワップ狙いも
■異動早々に襲ったスイスショック
「為替ディーラーとなったのは銀行に入ってから1年後。その後に起きたのがスイスショックです」
そう振り返るのは、三井住友銀行で為替ディーラーを務め、独立した鈴木拓也さんだ。2015年1月、中央銀行が金融政策を大転換してスイスフランが大暴騰したスイスショック。スイスフランの取引が一時停止となるなど大混乱が起きた市場のど真ん中に立っていたのが鈴木さんだった。
「ディーラーになって最初に担当したのがFX会社へのレート提示やカバー業務。インターバンク市場のレートをもとにFX会社へレートを提示するのですが、スイスショックではインターバンク市場でも流動性がなくなってしまい、カバーがとれない。どうしようもありませんでした」
■ファンダメンタルズをメインに取引
波乱の船出のあと、鈴木さんは香港支店へと異動する。
「香港では、少額ですが自分でポジションを持たせてもらえるようになりました。今でこそテクニカル分析がメインですが、銀行員時代はもっぱらファンダメンタルズ分析を軸としていました」
ファンダメンタルズが中心となったのは環境に理由があったようだ。
「銀行内でテクニカルの話をする人は誰もいない。他行の人と話しても、ダウ理論がどうとか、トレンドラインがどうのという話を聞いたことはありません。銀行にいれば、エコノミストなどからのレポートが毎日のように送られてくるため、ファンダメンタルズの情報量も多い。当時はそうした情報を見ながら長期のビュー(相場観)を考えて、ポジションを作っていました」
香港赴任2年目にはインターバンクディーラーから、顧客の為替取引を担当するカスタマーディーラーとなった。
「香港へ進出した日本企業が中国本土や香港で稼いだ利益を本社へ送金するために為替取引が発生します。そのため、扱うのは人民元や香港ドルがメインでした」
■香港ドルの米ドルペッグは固い
一部のFX会社が扱っている香港ドルだが、為替制度は独特。対米ドルで7.75~7.85香港ドルのレンジを定めている。スイスショックのようにレンジが崩壊するリスクはないのだろうか。
「香港の発券銀行は紙幣を発行するたびに『裏付け』として同額の米ドルを預託する必要があります。そのためヘッジファンドがレンジを破らせようと香港ドルを売り浴びせてきても香港の通貨当局には対抗するだけの外貨がある。リスクはレンジが破られることよりも人民元との通貨統合でしょう。私が香港にいた当時から、そうした噂は出ていました」
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香港支店では人との出会いにも恵まれた。
「当時、上海支店にいらっしゃったのが、このコーナーにも以前登場していた戸田裕大さんです。地理的に近いこともあり、一緒に仕事する機会にも恵まれました」
香港で経験を積んだ鈴木さんに転機が訪れる。何が起きたのか、鈴木さんがどんな手法で運用しているのか、次回から詳しく聞いていこう。
鈴木拓也さん(その2)へ続く。
鈴木拓也さんのコラムは全4回となっています。
⇒鈴木拓也さん(その1)東京、香港でプロとして活躍
⇒鈴木拓也さん(その2)4枚のモニターに映るのは
⇒鈴木拓也さん(その3)ライン分析で利益を伸ばす
⇒鈴木拓也さん(その4)リピート系やスワップ狙いも
【プロフィール】
鈴木拓也さん
2012年、三井住友銀行入行。東京本店と香港支店にて為替のカスタマーディーラー業務、インターバンクディーラー業務に従事した後に退行。2018年、フィンテラスを設立するとともに個人でも裁量、自動売買、スワップ運用の3つの手法でFXを取引する。裁量取引ではトレンドラインやサポート、レジスタンスラインによる分析をメインとする。近著に『7日でマスター FXがおもしろいくらいわかる本』