【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】九条さん(その2)スワップの「歪み」を狙う
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、九条さんについてです。
⇒九条さん(その1)インデックス投資とFX
⇒九条さん(その2)スワップの「歪み」を狙う
⇒九条さん(その3)ポイントは資金管理
⇒九条さん(その4)特別金利をリスクフリーで狙う
■スワップの「歪み」を狙うアービトラージ
「僕は相場の先行きを占って儲けられる人間でない。『上がるだろう、下がるだろう』という予想のもとにポジションを取ることはありません。しかし、『スワップ・アービトラージ』はそんな僕でもできる安全性の高い投資方法なのかなと思います」
世界の株式市場へのインデックス投資をメインとする九条さんが行なうのは、スワップのアービトラージ(サヤ取り)だ。
「リスク管理さえしっかり行なっていれば、預金並みの安定性だと思っています。ほぼノーリスクで、定期預金より高利回りで、流動性も高いですから」
「ドル円を1万通貨ずつ買いと売りで同時に取引すれば為替の変動はゼロになります。このとき、スワップは買いでは受け取り、売りでは支払いとなりますが、2業者の組み合わせ次第で差額がプラスになることがあるんです」
■買いと売りの両建てでスワップがもらえる
どのくらいの利益になるのだろうか。
「9月30日だと、くりっく365での買いスワップが78円の受け取り、セントラル短資FXでの売りスワップが55円の支払いでした。両建てすることで差額の23円が為替リスクなしで受け取れることになります」
このサヤが続くと仮定すれば年8395円。買いと売り、1万通貨ずつ保有するのに必要な資金はレバレッジ1倍なら216万円。年利は0.39%となる。
「南アフリカランドやトルコリラのような新興国通貨だと、スワップの歪みが大きくなります。南アランドだと1日のサヤが3円。年利換算0.73%です」
九条さんが利用する業者で1か月のスワップを比較したのが下記の表だ。
※クリックで拡大します
■ランド円ではコスト回収に1か月
ランド/円ではスワップ・アービトラージではスプレッドがコストとなる。小さな利益を狙う手法なので、スプレッドのインパクトは大きい。
「米ドル/円ならスプレッドが0.3銭程度なので3日もあれば回収できますが、南アランドはスプレッドが1銭。1ランド7円に対する1銭のインパクトは、1ドル108円に対する0.3銭と比べるとはるかに大きい。スプレッド分をスワップのサヤで回収するのに1か月以上かかってしまうんです」
さらにリスクとなるのは、スワップ水準の変化だ。
「サヤが縮小して利益が減るリスクだけでなく、サヤが逆転すれば、持てば持つほど赤字になってしまいます。実際、始めてから1週間ほどで逆ザヤになってしまったことがありました。コスト回収期間は短いほうが安心です」
サヤの状況は日々変わるため、短期間でポジションを解消することもある。逆ザヤになればコストを回収する前に決済せざるを得ない。
「逆ザヤもリスクではありますが、逆ザヤになれば決済すればいいだけ。最大のリスクはロスカット。そのため、資金管理にはもっとも気を使います」
レバレッジをかければ年利を高められるが、ロスカットのリスクも高まる。九条さんがレバレッジをどう考えているのか、聞いていこう。
九条さん(その3)へ続く。
★さんのコラムは全4回となっています。
⇒九条さん(その1)インデックス投資とFX
⇒九条さん(その2)スワップの「歪み」を狙う
⇒九条さん(その3)ポイントは資金管理
⇒九条さん(その4)特別金利をリスクフリーで狙う
【プロフィール】
九条さん
会社員。約20年前、外貨預金を皮切りに投資を始める。投資信託や現物株投資などでの試行錯誤を経て2008年、リーマン・ショック後からインデックス投資を開始。セミリタイアを実現できるまでの資産を築く。インデックス投資のかたわら、FXでのスワップ・アービトラージや為替オプション、株主優待、ソーシャルレンディングなど余裕資金を利用した取引も行なっている。