【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】九条さん(その3)ポイントは資金管理
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、九条さんについてです。
⇒九条さん(その1)インデックス投資とFX
⇒九条さん(その2)スワップの「歪み」を狙う
⇒九条さん(その3)ポイントは資金管理
⇒九条さん(その4)特別金利をリスクフリーで狙う
■1日の値幅が1円を超える日数は
スワップ・アービトラージではレバレッジの活用がポイントとなる。最大のリスクとなるロスカットを避けるため、九条さんはどのような資金管理を行なっているのだろうか。
「レバレッジをかければ、その分、利回りも高くなります。レバ10で米ドル/円を運用すると、1.6%の年利が期待できますが、ロスカットのリスクも高まります。スワップ・アービトラージではハイレバで取引したくなるのですが、為替市場では瞬間的に暴落して戻ってくるような動きが発生します。どのくらいの値幅を目安にすればいいのか、過去の値幅を調べてみました――」
そういって九条さんが見せてくれたのが、下記のグラフ。過去1年分の1日あたりの値幅を大きいほうから順位化して示したグラフだ。
※クリックで拡大します
■レバレッジ8倍を目安に投資
「中央値は米ドル/円が56pips、ユーロ/米ドルが59 pipsでした。1日に50pipsから60pips程度の値幅があるということになります。これだけなら10倍のレバレッジをかけても問題ないことになりますが、グラフからわかる通り、為替市場では1年のうち、20日ほどボラティリティが極端に大きくなる日があります」
1位はフラッシュ・クラッシュのあった1月3日。米ドル/円だと22位までが1円を超えている。
「ユーロ/米ドルも傾向は同じです。こうした日にもロスカットされないためには証拠金維持率300%が目安となります。レバにして8倍強です。フラッシュ・クラッシュの日の下落率が4%ほどなので、レバ8倍なら耐えることができます」
■証拠金維持率を目安に資金を出し入れ
ただ、最初に証拠金維持率を300%程度になるようポジションを取っても、日々の為替変動で証拠金維持率も変動する。
「両建てなので、買い口座の証拠金維持率が下がれば、売り口座の証拠金維持率は上がります。そうしたときには『売り口座から出金し、買い口座に入金して』と、資金を移動して証拠金維持率を整えます。ただ、入金はリアルタイムに反映されますが、出金にはタイムラグが発生するので、その分の現金を確保しておかないと、慌てることになります」
レバ8倍で米ドル/円のスワップ・アービトラージを行なうと、年利3%程度が期待できる。
「低いと感じるかもしれませんが、定期預金代わりなので、この程度でいいと思っています。FX口座なら現金に戻したいと思ったらすぐに出金できるし、出金手数料が無料の会社が多く余分なコストもかかりません。銀行に寝かせておくくらいなら、スワップ・アービトラージで運用したほうがいいですよね」
■ドル円、ランド円の2通貨ペアで運用中
九条さんは今、どの通貨ペアで行なっているのだろうか。
「ユーロ/米ドルで運用したこともありましたが、1週間で逆ザヤになってしまった。そのため、今は米ドル/円と南アランド/円の2通貨ペアです。ヒロセ通商で南アランドを、くりっく365で米ドルを買い建てし、売りは両方ともセントラル短資FXです。資金移動は月に1、2回行なっています。フラッシュ・クラッシュの日も両建てしていましたが、耐えてくれました。ヒヤッとはしましたが(笑)」
九条さん(その4)へ続く。
九条さんのコラムは全4回となっています。
⇒九条さん(その1)インデックス投資とFX
⇒九条さん(その2)スワップの「歪み」を狙う
⇒九条さん(その3)ポイントは資金管理
⇒九条さん(その4)特別金利をリスクフリーで狙う
【プロフィール】
九条さん
会社員。約20年前、外貨預金を皮切りに投資を始める。投資信託や現物株投資などでの試行錯誤を経て2008年、リーマン・ショック後からインデックス投資を開始。セミリタイアを実現できるまでの資産を築く。インデックス投資のかたわら、FXでのスワップ・アービトラージや為替オプション、株主優待、ソーシャルレンディングなど余裕資金を利用した取引も行なっている。