【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
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今週も先週に引き続き、安田佐和子さんについてです。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
■一次ソースの統計は必ず確認する
安田佐和子さんが代表を務めるStreet Insightsのポスト、その魅力のひとつが調査力と分析力だ。
「マーケットを見るときは、必ずデータ、それも各国・地域の統計局が公表する一次データを直接見るようにしています。CPIならアメリカ、ユーロ圏、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スイスの一次情報を見にいきますし、GDPも生の数字を見ます。」
そんな安田さんの姿勢がよくわかるのが米雇用統計への取り組み方だ。2024年8月、年次改訂で100万人規模の下方修正があるのではと取りざたされた。
■「雇用統計オタク」
「雇用関係の数字を細かく見ていると、雇用市場は見た目の数字ほど強くないことは推測できました。JOLTSが改善したと言われても内容を見ると政府部門の雇用が不自然に拡大していたり、景気後退局面ではヒスパニックに先んじて解雇されやすい黒人の失業率が高まっていたりと、怪しい兆候があったからです」
普通の人はNFP(非農業部門雇用者数)や失業率、平均時給の3つの数字を確認する程度だろうが、安田さんの解像度は極めて高い。安田さんが見せてくれたノートパソコンの画面には、米雇用統計にまつわるファイルだけでも10個以上が並んでいた。
■大切にする2つの言葉
そんな安田さんには好きな言葉が2つあるという。
歴史は繰り返さないが、韻を踏む(マーク・トウェイン)
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(オットー・フォン・ビスマルク)
「雇用統計がハリケーンの影響で悪化すると言われたら、歴史や過去のデータを見てみようと考えます。例えば、7月の雇用統計のでは天候要因で就業できなかった人々が46.1万人でした。これは1月以来の高水準でしたが、1月を含め天候要因で就業できなった人々が増加していたとしても、労働市場が堅調な局面では失業率は上昇していませんでした。このようにいつも、最も納得できるナラティブ(物語)を探す旅に出てるんです」
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その旅の相棒となるのはデータだけではないという。安田さんが何を見てファンダメンタルズを分析するのか、次回聞いていこう。
安田佐和子さん(その3)へ続く。
安田佐和子さんのコラムは全4回となっています。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
【プロフィール】
安田佐和子さん
金融記者として2005年からニューヨークを拠点に取材。帰国後は三井物産戦略研究所や双日総合研究所で研究員として米国政治・経済などの分析を行なう。2022年に独立しストリート・インサイツを設立。経済アナリストとしてXやFX会社のセミナーを通じて情報を発信するほか、フィンテック企業ジーフィットで為替アンバサダーを務める。一次情報をもとにした分析を徹底し、投資家が必要とする情報をタイムリーに発信する。