【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
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今週は、安田佐和子さんについて最終回です。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
■為替を動かす3つのドライバー
ファンダメンタルズ分析に秀でた安田佐和子さん。そうした情報をどうトレードに活かせばいいのだろうか。
「為替市場は3つのドライバーで動きます。ひとつが政策。金融政策や経済政策などの政策です。2つめが実需。輸出入企業やM&Aによる為替フローです。そして3つめがポジションです」
これらの要因から2024年の円高転換を安田さんは予想していた。
「日米の金融政策が変化しつつあり、米ドル/円は下落トレンドへ転換すると見ていました。ポジションが円売りに大きく偏ったために160円台をつけましたが、超長期チャートでは160円アッパーはプラザ合意以前の高値240円までテクニカル的に重要な節目がなく、真空状態となります。加えて、158円付近には、プラザ合意直前の高値と2011年10月のドル円の最安値75.32円の半値戻しにあたります。こう考えると、輸入物価高に見舞われるだけに、日本政府がこの付近からのドル円の上昇、つまり円の一段安を許容しないと考えました。」
■実需に投機がコバンザメする
実需面ではどうだったのか。安田さんの注目するひとつM&Aで動きがあった。日本企業が海外の会社を買収すれば円売り要因に、反対に日本企業が買収されると円買い要因となる。
「円安が進むと2、3年遅れで日本企業に対する買収が増えやすくなります。今年もカナダ企業によるセブン&アイへの買収提案やカーライルによる日本KFCの買収がありました。海外企業が日本へ直接投資するとそこに投機マネーが便乗することがあります。現地で大きく報じられると、コバンザメ的な投機が発生しやすいためです」
メディアで大きく扱われるようなM&Aだけでなく、より小規模なM&Aにも安田さんは着目する。
「M&Aや設備投資の状況は企業や銀行の人とコミュニケーションしながら動向を探るようにしていますし、設備投資も含めた数字である対内直接投資、とくに負債性資本は長期トレンドを探る材料として使っています。これが増えると円高になりやすくなるためです」
こうした分析でも経済指標のところで教えてくれた「一次データを直接見る」姿勢が貫かれている。
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■安田さんのトレーダー向け動画も開始予定!
「2024年初頭には新NISAによる円売りが話題となりました。ただ、対外証券投資に比べれば、新NISAの規模は小さい。新NISAは一時的な『ファッション』であって流れを変える『ドライバー』にはならないだろうと見ていました」
安田さんが足もとの為替市場をどう見ているかは、ジーフィットの運営する為替メディア「トレーダム」で毎週更新されている。
また10月からはFXコレクティブのYouTubeチャンネルでFXトレーダー向けの動画コンテンツも始まる。ボラティリティの高まりそうな経済指標やイベントを解説してくれる動画だ。解像度の高い安田さんの分析、ぜひトレードに取り入れてほしい。
安田佐和子さんのコラムは全4回となっています。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
【プロフィール】
安田佐和子さん
金融記者として2005年からニューヨークを拠点に取材。帰国後は三井物産戦略研究所や双日総合研究所で研究員として米国政治・経済などの分析を行なう。2022年に独立しストリート・インサイツを設立。経済アナリストとしてXやFX会社のセミナーを通じて情報を発信するほか、フィンテック企業ジーフィットで為替アンバサダーを務める。一次情報をもとにした分析を徹底し、投資家が必要とする情報をタイムリーに発信する。