【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
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今週も先週に引き続き、安田佐和子さんについてです。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
■経済指標を補うのは「現地の情報」
経済指標の動きを細かく追いかけ、Street InsightsのXアカウントを通して教えてくれる安田佐和子さん。ただ、経済指標だけではわからないこともあるという。
「経済指標の変化を見ていると経済状況のアウトラインは把握できますが、でも数字だけではわからないこともあります。それを補ってくれるのが現地の情報です」
世界の中央銀行やマクロ経済を担当する記者として、ニューヨークに10年間駐在した安田さんだが、現在は日本在住。現地の情報をどう入手するのだろうか。
「FRBを始め米労働統計局、NY連銀など大本営からの情報、NYを始め現地の友人とのやり取りに加えて、欠かせないのが現地メディアの報道です。特にCNBC(世界最大の金融専門チャンネル)です。金融市場のニュースやエコノミストの解説などのほか、政治家がゲストに迎えられることもあり、仕事中はいつも流しています」
■CPI下ブレでもドル円が買われた理由は
安田さんが利用しているのは有料のCNBC Pro。年間599ドルと安くはないが、米国内でのマーケットの情勢把握を始め、リアルな情報を入手する上で必要だという。
「先日も民主党下院トップのジェフリーズ院内総務が出演し、経済政策を説明していましたので、聞きながらXにポストしましたし、米CPIなどの発表時にはエコノミストがリアルタイムに解説してくれます」
たとえば2024年8月14日に発表された7月分の米CPI。予想3%(総合、前年比。以下同)に対して結果は2.9%。3年ぶりに3%を割り込んだ。この結果なら米ドル/円は売られてもよさそうだが、発表直後に上昇し、その日の高値を更新した。
「そのときCNBCで解説していたのがドイツ証券で主席エコノミストなどを務めたジョセフ・ラボローニャさん。彼は『スーパーコア』(住居費を除いたコアサービス指数)の上昇を指摘していました。スーパーコアにはパウエルFRB議長も注目しているとされ、2か月連続でマイナスだったのにプラスに転じたことが、米ドルが買われた背景にありました」
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■主要メディアのヘッドラインを全チェック
安田さんの情報ツールとなっているのはCNBCだけではない。
「アメリカの政治については地方紙も見ますし日経やブルームバーグ、ロイターなど主要メディアのヘッドラインをチェックし毎朝、自分で整理しています。この作業をしないと、大切な記事を見逃してしまうこともあるので日課にしています。情報収集のルーティンですね。無料で使えるものではXが最大の情報源です」
ただ、安田さんは「日本語だけでなく英語のポストもちゃんと見てほしい」とも。英語の情報まで自分では追いかけられない、という人はぜひStreet Insightsのアカウントをフォローしておこう。
安田佐和子さん(その4)へ続く。
安田佐和子さんのコラムは全4回となっています。
⇒安田佐和子さん(その1)ファンダ分析に欠かせないXアカウント
⇒安田佐和子さん(その2)ナラティブを探す旅
⇒安田佐和子さん(その3)情報収集のルーティン
⇒安田佐和子さん(その4)政策、実需、ポジション
【プロフィール】
安田佐和子さん
金融記者として2005年からニューヨークを拠点に取材。帰国後は三井物産戦略研究所や双日総合研究所で研究員として米国政治・経済などの分析を行なう。2022年に独立しストリート・インサイツを設立。経済アナリストとしてXやFX会社のセミナーを通じて情報を発信するほか、フィンテック企業ジーフィットで為替アンバサダーを務める。一次情報をもとにした分析を徹底し、投資家が必要とする情報をタイムリーに発信する。