【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】でむにゃんさん(その3)芽吹ちゃんの地獄
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、でむにゃんさんについてです。
⇒でむにゃんさん(その1)話題のFXマンガ、作者の正体は?
⇒でむにゃんさん(その2)自分の本質は欲深なくるみちゃん
⇒でむにゃんさん(その3)芽吹ちゃんの地獄
⇒でむにゃんさん(その4)チャートが鳴らす「擬音」
■リアルな為替市場をもとに描かれる
異色のFXマンガ『FX戦士くるみちゃん』だが、ウェブで公開されたオリジナル版の「FX戦士くるみちゃん」は2部構成。くるみちゃんが豪ドル/円を取引する1部と、2人の友だちとともに米ドル/円を取引する2部。舞台はともに2014年だ。
「日足は実際のチャートになるべく似せていますが、1時間足は創作なんですよね。マンガとしてのおもしろさを優先しています。1部はとくにそうですね。マンガの演出に合わせてチャートに動いてもらいました」
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でむにゃんさんが話すように2部は、ほぼほぼ、実際の相場に即して描かれている。
ここからはネタバレを含むので、でむにゃんさんのサイトで「FX戦士くるみちゃん」を読んでから目を通してほしい。
■「気絶投資法」とは?
2部の舞台となったのは2014年後半の米ドル/円。中心となって物語を展開させていくのは、くるみに教わりながらトレードする初心者の芽吹ちゃんだ。
芽吹ちゃんはレンジ相場が継続すると判断して、米ドル/円をレンジの上限で売っていく。ところが相場は上昇、損切りできず深みにハマっていく。
そこで繰り出す「ポジション救出作戦」は、使ってはいけない資金の入金、友人からの借金、ナンピンといった破滅への道だ。「FX戦士くるみちゃん」はFXのNG集にもなっている。
「いけるやん! 気絶投資法!」
そんなセリフも出てくる。気絶したかのように為替市場から目をそむけて含み損を忘れる投資法(?)だ。その顛末がどうなったか、決済については伏せておくが、このチャートを見れば芽吹ちゃんがどんな末路を迎えるのか、想像は難くないはず......。
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■他人の損に癒やされ初心者を「逆指標」にする萌智子
芽吹ちゃんと同時に、くるみちゃんや萌智子ちゃんも同時期に同じく米ドル/円をトレードするのだが、その取引や手法は三者三様。それぞれの個性が際立つトレードも「FX戦士くるみちゃん」の読みどころだ。
「登場人物に特定のモデルがいるわけではありません。自分の中にはあるいろんな人格を振り分けたり、人から話を聞いたり、掲示板の書き込みを見たりしながら3人のキャラクターへと落とし込んだ、という感じですね。萌智子ちゃんのような、誰かの損を聞いて安心する部分は自分の中にもありますし(笑)」
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萌智子ちゃんがトレードの指標とするのは芽吹ちゃんだ。
「これは下がるだろうね~...だから私も売ったよ」
そう言って芽吹ちゃんには売りポジションのホールドをけしかけながら、自分はこっそり買いボタンをクリックする場面は「FX戦士くるみちゃん」の中でも秀逸なエピソードのひとつ。「他人の損は自分の利益」でもあるFXの本質を見抜いているとも思える行動だ。
■3人+1人はどんな結末を迎えたのか
主人公であるくるみちゃんはチャートの流れを見ながらトレードして含み益を増やしていくのだが、彼女も決して順調には終わらない。
「マンガなので勝ち方はファンタジー。自分があの相場で最後までロングを握れていたかというと、それが理想ではありますけど、できないですよね」
3人のトレードがどんな結末を迎えるのか、ぜひ自分で確かめてほしい。では、でむにゃんさん自身は2部の時期、どんなトレードをしていたのだろう。
「あの相場では豪ドル/円をメインにちょこちょこさわっている程度でした。ロングメインだったので負けてはいないですが、大勝ちもしていません」
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でむにゃんさん(その4)へ続く。
でむにゃんさんのコラムは全4回となっています。
⇒でむにゃんさん(その1)話題のFXマンガ、作者の正体は?
⇒でむにゃんさん(その2)自分の本質は欲深なくるみちゃん
⇒でむにゃんさん(その3)芽吹ちゃんの地獄
⇒でむにゃんさん(その4)チャートが鳴らす「擬音」
【プロフィール】
でむにゃんさん
漫画家、個人投資家、会社員。大学生だった2008年、バイト代を元手に株式投資を開始するも撤退。就職後に再開し、2014年からはFXへも手を伸ばす。ブレグジットで荒れた2016年の英ポンド相場で大敗したことをきっかけに描き始めた「FX戦士くるみちゃん」がSNSで話題に。2021年には「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA)での連載が始まり、7月には単行本1巻も刊行された。KADOKAWA版では原作のみを担当し、作画は「炭酸だいすき」さんが務める。作画も務めたオリジナル版は、でむにゃんさんのサイトで現在も公開中。