【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】でむにゃんさん(その2)自分の本質は欲深なくるみちゃん
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、でむにゃんさんについてです。
⇒でむにゃんさん(その1)話題のFXマンガ、作者の正体は?
⇒でむにゃんさん(その2)自分の本質は欲深なくるみちゃん
⇒でむにゃんさん(その3)芽吹ちゃんの地獄
⇒でむにゃんさん(その4)チャートが鳴らす「擬音」
■初めて描いた長編マンガが「FX戦士くるみちゃん」
英ポンド/円の大勝負で強制ロスカットとなったことから負のエネルギーをきっかけにして描かれ始めた『FX戦士くるみちゃん』。なぜマンガという表現形態を選んだのだろうか。
「以前、株をやっているころにも大きな損を出したことがありました。そのとき負の感情が爆発したのか、美少女キャラクターが信用取引で大損するという1ページのマンガを書いたんです」
マンガやイラストを学んだ経験があったわけではなかった。
「絵も素人だったんですが、描いてみたら意外とマンガっぽくなってくれた。それを2ちゃんねるに投稿したら結構、受けたんです。当時はそれで満足でしたし、むしろ自分以外の誰かが「美少女×投資マンガ」を描いてくれないかなと思っていました。ところが、なかなか描いてくれる人がいない。2016年になっても誰も描かないから、じゃあ自分で描いてやろうか、と」
■仕手株、高金利通貨、ハイレバで負け続ける
そう述懐することからもわかるように、でむにゃんさんが最初に始めた投資はFXではなく株だった。
「大学生だった2008年、友だちが『任天堂でめっちゃ儲けたわ!』と話していたのを聞いて自分もやりたくなったんです」
2008年といえばリーマンショック。『FX戦士くるみちゃん』ではくるみちゃんの母親が2000万円を失う重要なイベントとしてリーマンショックが登場する。
「あれはあとから知って描きました。自分の母親? お母さんもまったくやっていないです(笑)。僕はリーマンとは関係ないところで勝手に損して終わりました。最初は東証1部上場のちゃんとした企業を売買していたんですが、よく見るとめっちゃ動いてる銘柄がある。こっちのほうが儲かるんじゃないかと思って手を出したのが仕手株。乗ったとたんに急落して塩漬けしていたら死んじゃいました」
社会人になって株を再開すると、アベノミクスの追い風もあり、小型ゲーム株が異常な盛り上がりを見せていた。
「最初にガンホーがきて、次にミクシィ。次にどこが来るかという中で目をつけたのがKlab。勝ちました。もっと儲けてやろうと思って手を出したのがFXだったんです」
■「FX戦士くるみちゃん」とも重なる失敗体験
アベノミクスで円安トレンドだったので基本的に買いから入って、ちょっとずつ増えていく、みたいな感じでしたね。次にキウィ(NZドル)を取引したら最初に入金したお金がなくなってしまった......」
リベンジに燃えて手を出したのが南アフリカランドだ。
「南アランドは少ない証拠金で取引できる。キウィの損を取り返したかったんです。割らないだろうと思えた価格帯で買ったのですが、一気に割ってしまった。それでもまだ下がるとは思わず、むしろ買い増しだろうとナンピンしてポジションを増やしたら、下がってしまった。結果、100万円くらいヤラれました。ランドなら下がってもスワップがどうにかしてくれるかと思ったら、そんなことはなかったですね」
このあたりは『FX戦士くるみちゃん』に登場するエピソードとも近い。でむにゃんさん自身の経験が活かされたのだろう。
※クリックで拡大します
■個性の異なる3人の女子大生
キウィ、南アランドの次に足を踏みこんだのは、禁断の海外FXだった。
「5万円くらい入金しハイレバ、デイトレで取引していました。5万円が溶けることもありましたが、儲かったら出金し、また5万円で取引して、と繰り返していたら270万円くらいになったんです」
やっと勝てるようになったと思いきや、いい日は長く続かなかった。
「だんだんとリスク管理が甘くなりレバレッジが高まって、簡単に負けるようになってしまった。毎日10万円ずつ溶ける日々でした。僕はくるみちゃんタイプ。儲かったら、もっと儲けたいとなってしまう。友だちの儲け話を聞いて簡単に始めちゃう楽観的なところは芽吹ちゃんっぽいですが、いちばん本質が近いのは欲深なくるみちゃんです」
『FX戦士くるみちゃん』には主人公であるくるみちゃんのほか、高校時代に株を始めた上級者の萌智子ちゃん、くるみちゃんに憧れてFXを始める芽吹ちゃんの女子大生3人が登場する。個性の違いから生まれる三者三様の取引もFX経験者には読みどころだ。次回は3人のトレードを見ていこう。
でむにゃんさん(その3)へ続く。
でむにゃんさんのコラムは全4回となっています。
⇒でむにゃんさん(その1)話題のFXマンガ、作者の正体は?
⇒でむにゃんさん(その2)自分の本質は欲深なくるみちゃん
⇒でむにゃんさん(その3)芽吹ちゃんの地獄
⇒でむにゃんさん(その4)チャートが鳴らす「擬音」
【プロフィール】
でむにゃんさん
漫画家、個人投資家、会社員。大学生だった2008年、バイト代を元手に株式投資を開始するも撤退。就職後に再開し、2014年からはFXへも手を伸ばす。ブレグジットで荒れた2016年の英ポンド相場で大敗したことをきっかけに描き始めた「FX戦士くるみちゃん」がSNSで話題に。2021年には「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA)での連載が始まり、7月には単行本1巻も刊行された。KADOKAWA版では原作のみを担当し、作画は「炭酸だいすき」さんが務める。作画も務めたオリジナル版は、でむにゃんさんのサイトで現在も公開中。