【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】トレーダーKaibeさん(その3)増えた白髪と口座資産
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、Kaibeさんについてです。
⇒トレーダーKaibeさん(その1)日本版ロビンスカップで準優勝!
⇒トレーダーKaibeさん(その2)「Flashes」の誕生
⇒トレーダーKaibeさん(その3)増えた白髪と口座資産
⇒トレーダーKaibeさん(その4)自動売買の始め方
■ボラティリティと瞬間的な値動きでフィルター
Kaibeさんの主力EAであるFlashesがどうやって完成したのか、その過程の続きを聞いていこう。
「最初はトレンド判定と押し目判定の2つだけでしたが、それだとボラティリティの大きな相場で損切りが多くなる。そこで取り入れたのが、ボラティリティ判定。ボラが小さいときだけでなく、大きいときも取引しないということでした」
でもボラティリティの大きさはどう判断するのだろうか?
「私はテクニカル分析で表現していますが、『30分で100pips以上動いていたら入らない』など値幅を計算するだけでも容易に代用できます。またVIX指数が高いときも取引を控えることで成績が改善することも最近わかりました」
■スキャルピングEAの経験を活かす
残るは4つ目のポイントである「瞬間的な勢い」。これはどういうことだろうか。
「以前作成した超短期のスキャルピングEAの経験をもとにしています。押し目買いといっても、ジリジリ下がっている場面で買うとそのまま下がってしまうことが多い。ドスンと下がったところで買ったほうがいいのではないか、という発想です。あるオシレータでこれを表現したところ、急激に成績がよくなりました」
こうしてKaibeさんの代表作であるFlashesが完成した。
「できた瞬間、これはいけるんじゃないか、と。バックテストしてもきれいな右肩上がりになりました。開発から3年半、フォワードテストでも右肩上がりを維持しています。初期設定のまま、とくにさわっていないにもかかわらず、です」
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■「エントリーと決済は一対」
ここまでKaibeさんはFlashesの概要を教えてくれたが、抜け落ちていたのが決済。Flashesではどんなタイミングで決済するのだろうか。
「ポイントは『エントリーと決済は一対』だということ。押し目買いのポイントで買ったなら、決済は戻り売りのポイントです。あるいはレジスタンスラインのブレイクアウトで買ったなら、決済はサポートラインのブレイクアウトです」
あるロジックが買いを示して買ったのなら、同じロジックが売りを示したところで決済となるわけだ。
「機械的に『50pips下がったら損切り』とルールにするのは悪手。損切りは遅いほうがいい、というと誤解を生むかもしれませんが、エントリーと決済を一対で考えたほうがパフォーマンスは高いんです。裁量取引のときもそうでした」
■自動売買と仕事の両立に誤算...
Flashesが完成してから1年半、日本版ロビンスカップで準優勝を収めてから1年が過ぎた2019年4月、Kaibeさんは会社を退職した。
「60連勤みたいな状況で、休日がまったくなくなってしまったんです。会社は普通に土日が休みでしたが、週末には自動売買の開発やセミナーなどの啓蒙活動が入ってしまう。休める日がない。一気に老けて、急に白髪も目立つようになりました。のんびり仕事するか、FXの自動売買を追求するか、両方できればいいですが、体がもちませんでした」
自動売買の魅力は本来、仕事との両立が容易なこと。Kaibeさんは自動売買が成功しすぎてしまった、ということかもしれない。
Kaibeさん(その4)へ続く。
Kaibeさんのコラムは全4回となっています。
⇒トレーダーKaibeさん(その1)日本版ロビンスカップで準優勝!
⇒トレーダーKaibeさん(その2)「Flashes」の誕生
⇒トレーダーKaibeさん(その3)増えた白髪と口座資産
⇒トレーダーKaibeさん(その4)自動売買の始め方
【プロフィール】
トレーダーKaibeさん
個人投資家。化学系研究者として勤務するかたわら、2006年にFXを始める。独学でプログラミングを学び裁量取引から自動売買へとスタイルを転換。2018年、独自開発した自動売買「Flashes」で参加した日本版ロビンスカップで準優勝を果たす。2019年に退職し、自身の取引のほか自動売買の開発、啓蒙活動を行なう。MENSA会員であるほか、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリストの資格も持ち、自動売買の開発に活用する。著書に『IQ162のMENSA会員が教える
FX自動売買の基礎と実践』