【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】トレーダーKaibeさん(その2)「Flashes」の誕生
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、Kaibeさんについてです。
⇒トレーダーKaibeさん(その1)日本版ロビンスカップで準優勝!
⇒トレーダーKaibeさん(その2)「Flashes」の誕生
⇒トレーダーKaibeさん(その3)増えた白髪と口座資産
⇒トレーダーKaibeさん(その4)自動売買の始め方
■スキャルピングEAで口座凍結
「自動売買を始めて1年後に使っていたのが、瞬間的な値動きで逆バリするスキャルピングEA。じつはこのEA、まだ使えそうだと思って去年改良し、今年1月から再び使っています。その口座は3か月ほどで利益率55%。最大ドローダウンが8%と好調です」
KaibeさんがEAデビューした直後から使っている自動売買、どんなロジックなのだろうか。
「1分足が大きく動いてから戻るところを狙って逆バリでエントリーします。エントリーも決済も逆指値。2、3pips離したところへ発注し、決済はトレールさせていきます」
急騰、急落直後のリバウンドを狙うEAだった。裁量のスキャルピングなどでは同様の手法を行なう人も多いだろう。
「ポイントは本当の意味での逆バリでないとだめだということ。ジリジリ下がってからグンと上がって逆バリで売る、というのではなく、ジリジリ下がりながら最後にズドンと下がったところで逆バリの買い、というイメージです」
取引を判断する時間軸は1分足だが、上位の足でも逆バリとなっているのが望ましい、ということになる。
■裁量と自動売買を行ったり来たり...
「1トレードでの期待値は1pips程度と小さく、また逆指値エントリーなので約定力のしっかりした会社でないと使えないのが難点。今、使っているのは国内口座だとオアンダジャパンです」
息を吹き込まれて再生したスキャルピングEAだが、使い始めた当初はFX会社から嫌われ数か月で利用できなくなってしまった。
「裁量でやるしかないと裁量取引に戻ったのですが成績がふるわない。一時は日経225先物へ転向しました」
2年ほど日経225先物を取引し、収益も順調だったがFXへと舞い戻ってくる。「1か月で上下400円も動かなくなってしまった」というボラティリティの低下が理由だ。
「裁量取引で得意としていたのはボラティリティがあり、きれいなトレンドを描いている相場での押し目買い・戻り売り。それをEAでもう一度やってみようと」
Kaibeさんの代表作であるEA「Flashes」が生まれたのは、このときだった。
■Flashesが成功した4つのポイント
「Flashesのポイントは4つだと考えています」
Kaibeさんが示してくれたポイントはこの4つ。順番に聞いていこう。
1.トレンド方向の判定
2.押し目の判定
3.ボラティリティの測定
4.瞬間的な勢いの有無
最初はトレンド方向の判断だ。一般的には移動平均線の傾きなどが利用されるが――。
「Flashesの場合、トレンドはオシレータで見ています。オシレータの位置によってトレンド方向を見極めることができるんです」
RSIに代表されるオシレータ系のテクニカル分析は一般的にレンジ向きと言われる。しかし、その位置などによってトレンド方向の分析にも使えるという。
1時間足や4時間足などの上位足でトレンドを判断したら、「どこで押し目買い・戻り売りするか」とエントリーの判断へと移る。
■ダウ理論を自動売買に落とし込む
「Flashesも基本は押し目買い・戻り売りです。押し目とは、ダウ理論で考えるとひとつ前の高値が目安。そこまで下がれば押し目買いのチャンスと考えられます。それをEAでどう再現させるか、詳しくは言えないのですが――」
たとえば、といってKaibeさんが見せてくれたのは、実際にFlashesがエントリーした場面にボリンジャーバンドを重ねたチャート。
「このチャートのように押し目買いのポイントである前の山(高値)がボリンジャーバンドの-2シグマタッチと重なることも多いんです」
※クリックで拡大します
Flashesで使っているのはボリンジャーバンドではないが、ひらめきを手がかりにして実際のチャートで確認しながら有効なものを求めていくのがKaibeさんのやり方だ。
Kaibeさん(その3)へ続く。
Kaibeさんのコラムは全4回となっています。
⇒トレーダーKaibeさん(その1)日本版ロビンスカップで準優勝!
⇒トレーダーKaibeさん(その2)「Flashes」の誕生
⇒トレーダーKaibeさん(その3)増えた白髪と口座資産
⇒トレーダーKaibeさん(その4)自動売買の始め方
【プロフィール】
トレーダーKaibeさん
個人投資家。化学系研究者として勤務するかたわら、2006年にFXを始める。独学でプログラミングを学び裁量取引から自動売買へとスタイルを転換。2018年、独自開発した自動売買「Flashes」で参加した日本版ロビンスカップで準優勝を果たす。2019年に退職し、自身の取引のほか自動売買の開発、啓蒙活動を行なう。MENSA会員であるほか、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリストの資格も持ち、自動売買の開発に活用する。著書に『IQ162のMENSA会員が教える
FX自動売買の基礎と実践』