【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】鈴木涼介さん(その3)ダウ・日経のスプレッドを取引
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今週も先週に引き続き、鈴木涼介さんについてです。
⇒鈴木涼介さん(その1)債券部門G7通貨スワップのヘッドトレーダー
⇒鈴木涼介さん(その2)分析の起点は金利と金融政策
⇒鈴木涼介さん(その3)ダウ・日経のスプレッドを取引
⇒鈴木涼介さん(その4)東証が売買停止!そのときの取引は
■ダウと日経の「スプレッド」を分析する
鈴木涼介さんの主な取引対象のひとつが株価指数、ダウ平均だ。しかし、見ているチャートはダウ平均そのものではなく、ダウ平均から日経平均を引き算したスプレッドチャートだ。
「ダウ平均を単体で見るとボラティリティが高い。しかし、日経平均とのスプレッドにすることで値動きがマイルドになり、方向感も見えやすくなるためです」
鈴木さんが利用するのはTradingViewのチャート。「ダウ平均-日経平均」といったような複数銘柄を四則演算したチャートも表示できることも特徴だ。
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「もちろんダウ平均や日経平均の絶対値も見ますが、トレードの参考にする程度。メインはスプレッドチャートです。ダウ平均をアウトライト(単体)で見て上下を当てるよりも、日経平均とのスプレッドのレンジを見たほうが期待値は高いんです」
■米国債入札で出やすい傾向
金利を重視するのは、株式市場の分析でも同様だ。
「株式市場でも先行して動くのは金利。リスクオン、リスクオフの見地に立てば、債券価格が下がって金利が上昇すればリスクオンとなり株価も上昇する。別に株価が上がったから金利が上昇するわけではありません」
前回教えてもらった「株も為替も債券市場を通して動く」とする考え方だ。中でも鈴木さんが注目するイベントがある。米国債の入札だ。
「30年もの米国債の入札の前には10年と30年のイールドカーブ(金利差)がスティープニング(長短金利差が拡大し傾きが急になること)しやすい。入札直前には国債価格が下落しやすくなります。入札はワンプライスで大きな量が買えるチャンス。入札前に債券市場で買って価格を上げてしまえば自分の首を絞めることになります」
■入札直前のスプレッド拡大と通過後の縮小
自分の首を絞めないためには、入札前は買わずに価格を下げておき、入札を待つことになる。
「債券価格の下落は金利の上昇です。そうすると市場はリスクオンと解釈してダウ平均が上昇する。つまり入札前にはダウ平均と日経平均のスプレッド(価格差)が広がることになります」
スプレッドが広がっていくと思えばダウ平均をロングし、スプレッドが縮まるならダウ平均をショートする。
「債券CFDで取引してもいいですが、株式市場は値幅が大きく、債券の動向を見て動いているようにしか思えない。そのため、今は主力のひとつとしてダウ・日経スプレッドを取引しています」
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鈴木涼介さん(その4)へ続く。
鈴木涼介さんのコラムは全4回となっています。
⇒鈴木涼介さん(その1)債券部門G7通貨スワップのヘッドトレーダー
⇒鈴木涼介さん(その2)分析の起点は金利と金融政策
⇒鈴木涼介さん(その3)ダウ・日経のスプレッドを取引
⇒鈴木涼介さん(その4)東証が売買停止!そのときの取引は
【プロフィール】
鈴木涼介さん
ゼニファス・キャピタルCEO。ドイツ証券入社、ドイツ銀行ロンドンを経て、HSBCロンドン債券部G7短期通貨スワップトレーディング部門のヘッドを務め独立。現役金融市場トレーダーとの人脈から得た金融・仮想通貨市場分析をnoteなどで配信する。