【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】鈴木涼介さん(その1)債券部門G7通貨スワップのヘッドトレーダー
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今週から、鈴木涼介さんについてのコラムが始まります。
⇒鈴木涼介さん(その1)債券部門G7通貨スワップのヘッドトレーダー
⇒鈴木涼介さん(その2)分析の起点は金利と金融政策
⇒鈴木涼介さん(その3)ダウ・日経のスプレッドを取引
⇒鈴木涼介さん(その4)東証が売買停止!そのときの取引は
■超大手外銀で活躍したプロの債券トレーダー
「米ドル、上がりましたよね。『トムネ』(トゥモロー・ネクスト)がマイナス1%を下回り、ドルニーズが高まっていた。今日からあさってまで米国債のセトルメント(決済)が集中しているためです。こうした情報を知っていれば、ドル高となるのが読めていたはずです」
そう振り返るのはドイツ銀行ロンドンを皮切りにHSBC(香港上海銀行)ではG7短期通貨スワップトレーディング部門のヘッドを務めるなど債券市場で活躍したゼニファス・キャピタルの鈴木涼介さんだ。
「もともとはロンドン大学で数理ファイナンスを学んでいました。趣味の延長でPh.D(博士号)を取ろうと思っていましたが、ある時、クラスメートに言われた『トレーダーは朝、会社に来て安く買って高く売ったらスーパーヒーローになれるんだよ』っていう言葉に響いちゃって(笑)」
■「債券しか頭になかった」
「スーパーヒーロー」の言葉が頭を離れず参加したのが「ボストンキャリアフォーラム」だった。一流金融機関も多く参加する、海外へ進学した日本人のための採用イベントだ。
中でも関心をそそられたのは、債券だった。
「債券はマチュリティ(満期)とクーポン(表面利率)が決まっているから、現在価格が妥当なのかどうかを計算できる。株や為替だとそうはいかない。頭の中は債券しかなく、エントリーシートを書きました。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ドイチェ、リーマン、UBS、野村――」
「スーパーヒーローになりたいから雇ってくれと言ったら大笑いされたけど内定をもらって、入ったのがドイチェ(ドイツ銀行)です」
■「トレーダーは天職」
ドイツ銀行ロンドンでは円金利・ドル円ベーシスのヘッドトレードを、移籍したHSBCロンドンではG7短期金利・通貨スワップ部門のヘッドを務めるなど、順調にキャリアを重ねていった鈴木さんだが、新人時代には停滞損切りも経験した。
「悔しかったですが、『それだけ喜怒哀楽を出せるのは本気で向き合えている証拠だよ、本気で向き合える仕事に出合えたおれたちは幸せだろう?』とアドバイスしてくれる先輩がいた。それが大きな転機でした。どうしてもトレーダーになりたいと思ってたわけではないけど、いまは天職。業界に感謝しています」
鈴木涼介さん(その2)へ続く。
鈴木涼介さんのコラムは全4回となっています。
⇒鈴木涼介さん(その1)債券部門G7通貨スワップのヘッドトレーダー
⇒鈴木涼介さん(その2)分析の起点は金利と金融政策
⇒鈴木涼介さん(その3)ダウ・日経のスプレッドを取引
⇒鈴木涼介さん(その4)東証が売買停止!そのときの取引は
【プロフィール】
鈴木涼介さん
ゼニファス・キャピタルCEO。ドイツ証券入社、ドイツ銀行ロンドンを経て、HSBCロンドン債券部G7短期通貨スワップトレーディング部門のヘッドを務め独立。現役金融市場トレーダーとの人脈から得た金融・仮想通貨市場分析をnoteなどで配信する。