【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】佐々木徹さん(その3)COTレポートの「でっぱり」
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、佐々木徹さんについてです。
⇒佐々木徹さん(その1)世界レベルのトレード教育者
⇒佐々木徹さん(その2)人と差をつける「レイヤー」
⇒佐々木徹さん(その3)COTレポートの「でっぱり」
⇒佐々木徹さん(その4)エクセルとアラートの活用法
■当たり前の数字も見方を変えると武器になる
チャートにさまざまなレイヤーを重ね、分析精度を高めていく佐々木徹さん。金利やコモディティ、他通貨の動向など重ねるべきレイヤーはさまざまだが、佐々木さんはどの情報を重視しているのだろうか。
「いちばん頼りにするのはCOTレポートと金利ですね」
COTレポート=IMM(通貨先物市場)ポジションを参考にする人は多いだろうが、佐々木さんの活用方法は少し違う。
「誰もが見ている数字であっても見方を変えたり、何かと何かの比率にしたりと、ひと工夫することで使えるデータになる。COTレポートも同じです」
通常、COTレポートで注目されるのは投機筋のネットポジション。買いポジションから売りポジションを差し引いた数字だ。
■「やれやれ売り」で動き出す場所
「それも大切ですが、もう一段、細かく分析すると見えてくるものがあります。ネットだけでなく買いと売り、それぞれのポジション推移を見ることで動き出す場所がわかるんです」
注目すべきポイントは?
「注目するのは『でっぱり』。つまりポジションが大きく増えた場所です。高値付近で買いポジションが増えていれば、多くの人が高値づかみしたことになります。その買いポジションが解消されるのは、損益がトントンになる建値付近へ戻ってきたとき。そのため買いポジションがでっぱったあたりのレートでは、『やれやれ売り』が発生しやすくなります」
■ポジションが増えたレートを確認する
こうした分析がきれいに当てはまったのは2018年末のカナダドルだ。
「カナダドルは10月から下落トレンドが続き、COTレポートもカナダドル売りに傾いていました」
ただ、カナダドルのネットポジションは「やや売り」程度。大きく増えたのは12月最終週だった。
「売りポジションが大きくでっぱっています。このときのカナダドル/米ドルは0.7350付近でした。しかし、売りポジションがでっぱったあと、カナダドルは下げ止まります。突っ込み売りしたポジションは0.7350あたりが建値でしょうから、ここを上抜けてくると買い戻しで上昇しやすくなると考えられるんです」
佐々木さんが予想したとおり、その後、カナダドルは急騰した。このときは米政府機関閉鎖の影響でCOTレポートの発表が遅れていたが、通常通りに発表されていればわかりやすい動きとなっていたはず。
「COTレポートが参考になるのは短期から中期のトレード。買い戻し、売り戻しが入りやすい場所でエントリーし数日から1週間くらいホールドです」
COTレポート、ネットポジションだけでなく「どこで買い・売りポジションが増えているか」も見ていこう。
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佐々木徹さん(その4)へ続く。
佐々木徹さんのコラムは全4回となっています。
⇒佐々木徹さん(その1)世界レベルのトレード教育者
⇒佐々木徹さん(その2)人と差をつける「レイヤー」
⇒佐々木徹さん(その3)COTレポートの「でっぱり」
⇒佐々木徹さん(その4)エクセルとアラートの活用法
【プロフィール】
佐々木徹さん
トレード教育者。株式会社ココスタ代表取締役。大学卒業後、繊維系商社へ入社。アメリカへ駐在中にFXを開始。YouTubeなどへセミナー動画の投稿を行なうようになり、2014年に独立。世界最大級のオンライン学習プラットフォーム「Udemy」で日本人として始めてトップ13講師入りを果たす。現在の受講生は4000名強。トレード対象は為替、貴金属や原油などのコモディティから仮想通貨など。デイトレや長期投資も行なうが、メインとするのはスウィングトレード。