今週は、noriさんについて最終回です。

⇒noriさん(その1)専業歴12年のベテラン
⇒noriさん(その2)リボンチャートを活用する
⇒noriさん(その3)独自の経済指標データベース
⇒noriさん(その4)FXデトックスとアルコール

■トレードに支障が出ないようお酒は飲まない

専業トレーダーのnoriさんが負けを減らすための工夫、どんなことがあるのだろうか。

「僕、お酒さえ飲まないです。アルコールに強くないというのもあるんですが、飲んだ翌日は判断力が落ちるためです。最後に飲んだのがいつだったか、もう覚えていないくらい。ここまでやるようになったのは専業となってからです。上司がいるわけではないので、自分で自分を管理しないといけないなって」

私生活にも及ぶ負けを減らすルールだが、その最たるものが資金管理だ。

「20万円でFXを始めたとしますよね。最初に１万通貨で取引を始めたものの資金が減って次は9000通貨でしか取引できなくなった。これは初心者の典型的なFXの負けパターンだし、負けないためにすごく大事なところなんです」

取引量を減らせばもとの資金量に復帰するのが困難になるし、もとの取引量でエントリーすれば強制ロスカットのリスクが高まる。

■「１日２％負けたらトレードしない」

「常に一定の取引量でエントリーできるよう、僕は『１日に２％負けるとその日はもうトレードしない』というルールを徹底しています」

noriさんの取引量20万円で１万通貨が目安。レバレッジはおおよそ５倍だ。

「１日に40pips負けると、損失が4000円＝２％になります。僕は損切り幅が10～15pips程度なので３、４連敗すると40pipsです。１日に40pips負けるようだと、相場と合っていないということなので、その日はもうトレードしません」

もし５日間連続して２％ずつ失うと、当初の資金の約10％を失うことになり、当初の20万円は18万円強へと減少する。

「残額18万円なら１万通貨で取引してもレバレッジは5.5倍程度。当初とあまり変わらないレバで最初と同じ量の取引が継続できます」


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■「FXデトックス」で無駄な負けを減らす

損切り→取引量の減少→ムリなトレード→損切り...といった悪循環に陥らないために有効なルールだが、得てしてルールは「作る」よりも「守る」ほうが難しいものでもある。

「僕も最初は守れないことが多々ありました。東京市場の時間に２％に達したのに夜になってもチャートを見続けて『ここで入れば取り戻せるんじゃないか』とエントリーして昼も夜も負けたり......。それで取り戻せることもありましたが、負けは続きやすい。２％ルールを守ることで自分が救われると実感してからは守れるようになりました」

それに加えて、noriさんはルールを守るための環境づくりも行なっている。

「ルールを守るためにどうするかも考えました。ひとつは２％負けたらパソコンの電源を落としてチャートを見られなくするし、スマホにもFXアプリを入れていないんです。スマホを見ていると取引したくなるし。かといってパソコンでいつも見ているチャートとスマホで見るチャートでは感じ方が違う。スマホで取引できないよう、アプリは入れていないんです。『FXデトックス』ですね」

FXで勝つために生活スタイルから見直したnoriさん。見習うべき点がありそうだ。

noriさんのコラムは全4回となっています。
⇒noriさん(その1)専業歴12年のベテラン
⇒noriさん(その2)リボンチャートを活用する
⇒noriさん(その3)独自の経済指標データベース
⇒noriさん(その4)FXデトックスとアルコール

【プロフィール】
noriさん
専業トレーダー。大学生時代にFXをスタートし、FX会社でのカバーディーラーを経て専業トレーダーへ。以降、稼いだ金額は1億円超。昨年からはプロップファームでの契約トレーダーとしても取引する。FXだけでなく育児など日々の出来事もつづるブログ「ノリマガ」も好評。監修書籍に『結果を勝ち取る！実戦のFXテクニカル』