【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】石川久美子さん(その4)為替がわかれば世界がわかる
ガチンコFXの人気コンテンツ【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】が羊飼いに移植!
毎週金曜日にお届けします!!
今週は、石川久美子さんについて最終回です。
⇒石川久美子さん(その1)トルコリラの暴落を的中
⇒石川久美子さん(その2)「動き出し」を感知する
⇒石川久美子さん(その3)上達に必要な「ルーティン」
⇒石川久美子さん(その4)為替がわかれば世界がわかる
■コロナ禍が変えた「調達通貨」
「いちばん変わったのは、米ドルと、ファンディングカレンシー(調達通貨)との関係です。以前ならリスクオンで調達通貨の円やスイスフランがドルを含むすべての通貨に対して売られました」
マイナス金利政策の円やスイスフランで資金を調達し、リスク資産へと投じる動きだ。
「ところがコロナ禍でアメリカが他国と比べて圧倒的な規模の財政出動・金融緩和を行った結果、『リスクオンのドル売り』が強まりました。このドル売りは、これまで調達通貨としてリスクオン時には対ドルでも売られてきた円やスイスフランに対しても及んでおり、昨年は円やスイスフランがリスクオン時に上昇する場面が頻発しました。アメリカの長期金利がある程度の高さまで上がってこない限り、リスクオン時は円、スイスフランの売りよりドル売りの方が強い状態が続くのではないでしょうか」
■FED要人の発言が注目される1年に
石川久美子さんが2021年のポイントと見るのは、米金利だ。
「見るべき指標や耳を傾けるべき要人は、そのときによって変わります。以前注目された米雇用統計も今は注目度が低い。アメリカがコロナ禍を受けて長期的に低金利政策を続ける、との姿勢を示しているため、いくら米雇用統計がよくても金融政策の変更期待につながらないからです」
大規模な金融緩和を続けるアメリカの金融政策がいつ転換するのか。今、注目すべきテーマは米金融政策だ。
「当社金融市場調査部ではFRBの利上げは2025年以降と見ていますが、テーパリング(金融緩和の縮小)は2022年前半にも始まるかもしれません。すべてはコロナ次第です。今年は『コミュニケーションの年』。FRB関係者の発言からテーパリングの開始や時期、あるいは追加緩和があるのかを類推していくことが重要となるのかなと思います」
※サンフランシスコ連邦銀行より
■為替が開く世界への扉
為替は『世界への関心を開く扉』です。為替レートにはさまざまな原因が左右しますから、『為替がわかれば世界がわかる』とも言えます。世界経済の流れや欧米の政策など、いろんなことを気にしないといけないし、やることが多くて忙しいですが、情報感度の高い人や好奇心の強い人には向いているのではないでしょうか」
見るべきこと、考えないといけないことは多いが、すべてを1人でやる必要はない。
「人に頼ることも大切です。私自身、マクロ経済のことはチームのメンバーに頼っていますし、ツイッターの情報も参考にしています。ロイターやブルームバーグでも、ある特定の地域や事象に特化したアカウントがあるので、そうした情報をフォローしておくだけでも、日本では情報の入りにくい資源国や新興国通貨で動きがあったとき、頭が整理しやすくなります」
石川久美子さんのコラムは全4回となっています。
⇒石川久美子さん(その1)トルコリラの暴落を的中
⇒石川久美子さん(その2)「動き出し」を感知する
⇒石川久美子さん(その3)上達に必要な「ルーティン」
⇒石川久美子さん(その4)為替がわかれば世界がわかる
【プロフィール】
石川久美子さん
ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部シニアアナリスト。商品先物専門紙を経て外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画し、2016年より現職。ユーロや英ポンドのほか豪ドル、NZドルなどの資源国通貨、トルコリラやブラジルレアルなどの新興国通貨まで幅広くレポートを発信する。ツイッターでの情報発信も活発。