【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】遠藤寿保さん(その2)ひまわり、CA、ヤフー、GMO
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今週も先週に引き続き、遠藤寿保さんについてです。
⇒遠藤寿保さん(その1)FXが生まれた日
⇒遠藤寿保さん(その2)ひまわり、CA、ヤフー、GMO
⇒遠藤寿保さん(その3)過去の相場を見つめる方法
⇒遠藤寿保さん(その4)FXを進化させた3要素
■子会社立ち上げの直後にリーマンショック
「手数料無料」を打ち出したFX会社が登場したことに刺激を受け、2008年に遠藤寿保さんの所属していたひまわり証券も新たな事業へ乗り出した。
「上司から『うちでも手数料無料で取引できる子会社をつくりたいから頼む』と言われたんです。オフィスの物件探しからシステム選定、カバー先の確保まで、本当にゼロからのスタートでした。サービスが始まったのは2008年3月。ただそのときに入れた海外製のシステムがこなれておらず、当初は指値が約定しないなどのトラブルが起きたり、しんどい時期もありました」
遠藤さんが選んだカバー先の1社がリーマン・ブラザーズだった。
「当時のシステムはフルカバー、すべての注文をカウンターパーティ(カバー先)に流していました。見ているとほとんどがリーマンに流れていく。それだけリーマンがいいレートを流していたんですが、あるとき、突然カウンターパーティからふっとリーマンが消えたんです。リーマンショックでした」
■「スーツは自分だけ」の転職
遠藤さんが陣頭指揮を取って設立されたFX ZEROがサービスを開始してからわずか半年後のことだった。
「リーマンショック以降、全盛だった円キャリートレードが消えていき、FX業界の成長も止まった。FX ZEROもたたむことになり、次の身の振り方を考えているときに声をかけてくれたのがサイバーエージェントFX、現在の外貨ex byGMOでした」
ひまわり証券はもともと対面営業を中心としたコモディティ(商品)の会社だが、サイバーエージェントFXは当時、FXへの参入が始まっていたIT系の筆頭だ。
「みんな私服で勤務していてスーツを着ているのなんて私くらい。カルチャーはまったく違いました。そこで最初に担当したのはメタトレーダー4(MT4)の導入プロジェクトでしたが、少し早すぎたのかもしれません。当時はまだFX会社がEA(自動売買)を提供して使わせることが投資助言に当たるのかどうか、当局の態度があいまいで、思ったようにEAが使えなかったんです」
■磨いてきた相場観を披露
そんななか遠藤さんの所属先名がまたも変わることになり、遠藤さんの業務もがらっと変わった。
「サイバーエージェントFXがヤフーに買われYJFXとなったんです。以前から経済紙の記者とのつながりがあり、たまに為替市況のコメントを寄せていました。それを評価してくれ、情報発信が主な業務となったんです。もともとは営業ですから相場観は最大の売り物。ツイッターでもFXが盛り上がってきて、会社のアカウントだけでなく自分のアカウントも立ち上げ、投資情報を提供するようになったんです」
遠藤さんの分析が一般に公開されるようになったのは、ここからだった。YJFXは2021年にGMOフィナンシャルホールディングスに買われて外貨ex byGMOへと名前を変えた。遠藤さんにとって5つめの所属先名となる。
「外貨ex byGMOでも情報発信は続けていましたが、FX会社に所属していると発信できる情報に限界があるし、会社のルールのため個人では取引できない。もっと自由に発信したい、自分でもトレードしたい――そんな思いがあり独立することになったんです」
日本でFXが生まれて2年目、「預り証拠金30億円」をめざしていたころとケタ違いにFXは成長した。
次回は、遠藤さんが今どうFXと関わっているのか、聞いていこう。
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遠藤寿保さん(その2)へ続く。
遠藤寿保さんのコラムは全4回となっています。
⇒遠藤寿保さん(その1) FXが生まれた日
⇒遠藤寿保さん(その2)ひまわり、CA、ヤフー、GMO
⇒遠藤寿保さん(その3)過去の相場を見つめる方法
⇒遠藤寿保さん(その4)FXを進化させた3要素
【プロフィール】
遠藤寿保さん
FXエバンジェリスト。ひまわり証券が日本初となるFXをリリースしたときに営業を担当。以降、サイバーエージェントFX(現在の外貨ex byGMO)を経て23年間、FX業界の第一線に立ち続ける。2022年8月に退職し、現在はFXエバンジェリストとしてツイッターやブログ、セミナーなどを通じた個人投資家への啓蒙活動に従事する。