【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】西原宏一さん(その2)月足の「半値」と豪ドル
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毎週金曜日にお届けします!!
今週も先週に引き続き、西原宏一さんについてです。
⇒西原宏一さん(その1)バイ・ザ・ファクトの豪ドル買い
⇒西原宏一さん(その2)月足の「半値」と豪ドル
⇒西原宏一さん(その3)相場反転の有望シグナル
⇒西原宏一さん(その4)「チャートありき」の相場観
■「バイ・ザ・ファクト」の起きる理由
羊飼いのFXブログでも毎週水曜日と金曜日に相場観を教えてくれる西原宏一さん。そこでよく見かける単語が「セル・ザ・ファクト」と「バイ・ザ・ファクト」だ。
「株や為替、コモディティなどの金融市場では往々にして、『期待で買われ・事実で売られる』、あるいは『期待で売られ・事実で買われる』動きが起こります。最近では、5月に発表された米雇用統計でバイ・ザ・ファクトが起こりました」
このとき発表されたのは、アメリカがコロナ禍でロックダウン中の数字。悪い数字になることは当然予想され、期待で売られていた。
「実際に出た数字もNFP(非農業部門雇用者数)2050万人減というインパクトのある数字。しかし、米ドルは事前に売られていたため、悪い数字が出ても米ドル/円の下落は続かず、市場が落ち着くと反対に上昇しました。雇用統計の悪化に期待した売り手の利益確定による買い戻しが入ったためです」
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■10年で通貨価値が半減
前回紹介した西原さんのメルマガでのトレードも、バイ・ザ・ファクトを利用したものだった。
「今年3月19日、つまりコロナ禍の真っ只中でのトレードでした。この日までに豪ドルは下落していました。RBAが発表予定だった金融政策に対して、市場は利下げを期待していたためです。実際に発表されたのもサプライズのない予想通りの利下げ。当然、売り手の買い戻しが入ることになります。ここまでは教科書通りです」
西原さんが強気な見方へ転じたヒントは月足チャートにあった。
「長期で見た豪ドル/米ドルの高値は2011年7月の1.1081。その半分は0.5540。マーケットが意識する水準となります。RBA発表の日の安値は0.5506ですから、豪ドルの価値は10年で50%下落したことになります。9年前と比べてオーストラリアが壊滅的な事態に陥っているわけでもないのに、通貨の価値が半分になるのはさすがにやりすぎです」
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RBA発表でのセル・ザ・ファクトと月足チャートでの分析、2つが同じく豪ドルの上昇を示し、さらには西原さんが多用するテクニカル分析も、反転上昇を示唆していた。次回は西原さんのテクニカル分析について聞いていこう。
西原宏一さん(その3)へ続く。
西原宏一さんのコラムは全4回となっています。
⇒西原宏一さん(その1)バイ・ザ・ファクトの豪ドル買い
⇒西原宏一さん(その2)月足の「半値」と豪ドル
⇒西原宏一さん(その3)相場反転の有望シグナル
⇒西原宏一さん(その4)「チャートありき」の相場観
【プロフィール】
西原宏一さん
CKキャピタル代表取締役。青山学院大学卒業後、アメリカン・エキスプレス銀行を経てシティバンクへ。1996年まで為替部門チーフディーラーを務める。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店やシンガポール開発銀行シンガポール本店でプロップディーラーを歴任。現在は自身のトレードのほか、セミナーやメルマガなどを通じて個人投資家への情報発信を行なう。