【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】上田眞理人さん(その2)高金利幻想とネットロング
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今週も先週に引き続き、上田眞理人さんについてです。
⇒上田眞理人さん(その1)壁の崩壊とドイツマルク
⇒上田眞理人さん(その2)高金利幻想とネットロング
⇒上田眞理人さん(その3)FXに必要な5つのルール
⇒上田眞理人さん(その4)トランプ砲がもたらした変化
■FXプライムbyGMOのポジション比率
FXの取引人口が増えるにつれて、上田さんにはある懸念が芽生えてきた。
「ディーリングの基本、特に中長期では順張りだと考えています。ところが日本では逆張りと思える取引が目立ちます。最近でこそ米ドル/円がネットショート(売り越し)になることもありますが、以前はずっとネットロング(買い越し)。下落トレンドにあってもむしろロングが増加していました」
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FXプライム byGMOでは毎朝、利用者のポジション比率がツイートされている。これを見ると、米ドル/円やクロス円は基本的にいつもロング比率が50%を超える買い越しの状態にある。
また、急落した日にはロング比率が高まり、急騰するとロング比率が低まる傾向も見られる。つまり、上田さんの懸念する逆張りだ。
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■根強い豪ドルへの高金利幻想
「豪ドル/円にいたっては、私が記憶するかぎり、ネットショートになったことはほとんどありません。かつて高金利通貨として人気だった豪ドルですが、政策金利は1%まで落ち込んでいます。それでもなおネットロングということは、根強い『高金利幻想』があるということなのでしょう」
2018年1月に89円だった豪ドル/円は1年半で75円まで下落した。下落トレンドは明白であり、ロング中心の逆張りでは勝つことは難しい相場が続いている。
■短期勢の増加が促すポジション比率の変化
日本人のポジション、とくに新興国の高金利通貨が極端に買いに偏ったとき、ヘッジファンドに狙われて急落する動きは南アフリカランドやトルコリラで何度も繰り返されてきた。
「FXプライム byGMOでは、ポジション比率を出していますが、絶対数については出していません。かつては、くりっく365が発表するポジション数の数字を見て、ヘッジファンドなどが攻めてきたこともあります。ポジションの絶対数が分かると狙われやすくなりますから。日をまたぐような中長期のトレードを行うならば、ポジションの偏りを見た仕掛けによる急落に巻き込まれるリスクを回避する意味でも、基本はトレンドへの順張り。それを心掛けてほしいですね」
上田さんが懸念する日本人の逆張り傾向だが、最近では変化の兆しも見られるという。
「デイトレードやスキャルピングのような短期間で取引する人が増えてきました。彼らは順張りでトレードすることも多く、日中のポジションを見るとトレンドに沿った順張り方向のポジションが増えることもあります。もっというと、ごく短期の値動きに追随する、という意味での超短期トレードを行うトレーダーも増えてきたように感じています」
上田眞理人さん(その3)へ続く。
上田眞理人さんのコラムは全4回となっています。
⇒上田眞理人さん(その1)壁の崩壊とドイツマルク
⇒上田眞理人さん(その2)高金利幻想とネットロング
⇒上田眞理人さん(その3)FXに必要な5つのルール
⇒上田眞理人さん(その4)トランプ砲がもたらした変化
【プロフィール】
上田眞理人さん
1983年、東京銀行ニューヨーク支店で為替ディーラーに。その後、モルガン銀行など外資系金融機関でチーフディーラーや外国為替部長などを務め、2003年よりFXプライムbyGMOへ。個人投資家とも積極的に交流するなど、インターバンク市場と個人投資家向けFXの双方に精通する。