【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】豊嶋久道さん(その3)負けトレードをカットする
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今週も先週に引き続き、豊嶋久道さんについてです。
⇒豊嶋久道さん(その1)EAの第一人者は大学教授
⇒豊嶋久道さん(その2)6年前から運用する主力EA
⇒豊嶋久道さん(その3)負けトレードをカットする
⇒豊嶋久道さん(その4)MT5でバックテストする理由
■曜日やボラティリティでエントリーを制限する
デジタルフィルタを専門とする工学博士の豊嶋さんだけに、特殊なテクニカル分析などを使っているのではと想像するかもしれない。しかし、豊嶋さんがEAに組み込んでいるのは移動平均線やボリンジャーバンドなどオーソドックスな分析手法だった。
「FXを始めたころは自分の専門のデジタルフィルタをうまく使えないかと考えたこともありました。しかし、やればやるほど、『カーブフィッティング』になってしまう。フィルタを追求していく方法は早々にあきらめました」
EAの開発では、過去の値動きによるバックテストが欠かせない。しかし、バックテストの成績をよくしようとして最適化が行き過ぎると、実際の使用に耐えるEAとはならない。
「バックテストも大切ですが、うまくトレードできない要因を絞り込んでいくことも大切です。私のEAでいえば、曜日ごとに勝率の差がありました。とくに弱かったのが月曜日と金曜日。それに気がついてからは、月曜日と金曜日はトレードしないよう、設定を変更しました。先日書いた書籍でも紹介した方法です」
■負けトレードをカットする条件の見極め
最近ではアマゾンのキンドル用電子書籍で著作を発表している豊嶋さん。最新刊となるのは『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』だ。
「じつは、本に入れた内容の多くが、私のEAで採用している項目なんです。特定の曜日だけトレードさせる設定についても書いていますし、ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)を利用したボラティリティ・フィルタも実際に私が取り入れているものです」
こうしたプログラムは練習問題や実例とともに豊嶋さんの著書『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』で紹介されている。自分でEAを作ってみたい、既存のソースコードを自分流にアレンジしたいといった人は試してみてほしい。
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■負けたトレードをチャートで分析する
「過去のトレードを見ているうちに、ボラティリティが大きい日に負けやすい傾向がわかりました。そのため値動きの大きさを測るATRを利用し、『ATRが低いときにだけトレードする』といったボラティリティ・フィルタ、それに『ATRが高いときにはロット数を半分にする』といった設定を加えています」
ボラティリティが非常に高ければトレードは見送り、そこそこ高いならばロット数を半分にすると同時に損切り幅を2倍に広げるなど調節しているという。
「実際にEAを稼働させていると、どんな場面で負けやすいかが見えてきます。負けた場面のチャートを見て、なるべく負けトレードをカットできるよう、エントリーの条件を加えていきます。ただ、条件を厳しくしすぎるとカーブフィッティングとなってしまう。バランスのとり方は難しいですね」
豊嶋久道さん(その4)へ続く。
豊嶋久道のコラムは全4回となっています。
⇒豊嶋久道さん(その1)EAの第一人者は大学教授はコチラ!
⇒豊嶋久道さん(その2)6年前から運用する主力EAはコチラ!
⇒豊嶋久道さん(その3)負けトレードをカットするはコチラ!
⇒豊嶋久道さん(その4)MT5でバックテストする理由はコチラ!
【プロフィール】
豊嶋久道さん
1965年山口県生まれ。1993年慶應義塾大学大学院博士課程修了。工学博士。大学生のころからプログラミングに親しみ、シェアウェアなどを作成、公開していた。2003年よりFX取引を始め、MT4による自動売買を手がける。自動売買プログラムの解説書を多数出版するなど、日本を代表する自動売買の論客として活躍。近著に『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』『新MT4対応
FXメタトレーダープログラミング入門』(ともにKindle版)