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今週は、豊嶋久道さんについて最終回です。

⇒豊嶋久道さん(その1)EAの第一人者は大学教授
⇒豊嶋久道さん(その2)6年前から運用する主力EA
⇒豊嶋久道さん(その3)負けトレードをカットする
⇒豊嶋久道さん(その4)MT5でバックテストする理由

■「ＭＴ４依存」に不安はないのか

ＦＸ自動売買ツールとして圧倒的な人気を誇るＭＴ４だが不安材料もある。次世代版であるＭＴ５の登場だ。開発元であるメタクオーツ社はＭＴ５への移行を進めたいのか、同社のホームページからＭＴ４をダウンロードできなくなっている。

ＭＴ４とＭＴ５ではプログラミング言語が違うため、ＥＡやカスタムインディケータに互換性はない。ＭＴ４が使えなくなると今まで通りの運用できなくなる「ＭＴ４依存」のリスクはないのだろうか。

「今すぐＭＴ４が使えなくなることはないでしょう。つい最近もＭＴ４のバージョンアップデートがありましたし、アップデートが続くかぎりは大丈夫です。また、もともと日本でマイナーな存在だったＭＴ４が主流となったのは海外で広く普及したことの影響があります。その意味では、海外でＭＴ５が主流となるようなら要注意ですが、私の見るかぎり、海外でも主流はまだＭＴ４。慌てる必要はないでしょう」

■ＭＴ５でバックテストするメリットとは

自動売買ツールとしてだけでなく、チャートとしても多くのトレーダーが利用するＭＴ４だけに、その動向には今後も注意していきたい。でも、そもそもＭＴ５にはどんなメリットがあるのだろうか。

「私の場合、実際の運用はＭＴ４ですが、バックテストはＭＴ５で行なっています。ＭＴ４で表示できるチャートは１分足、５分足、15分足などですが、ＭＴ５ではより細かく１分足、２分足、３分足、４分足、５分足、６分足、10分、12分足と『60の約数』分チャートが表示できる。ひとつのＥＡに対してより多くのタイムフレームでバックテストが可能なんです。15分足よりも12分足のほうが好成績、といったこともあるため、バックテストにはＭＴ５を利用しています」

ＭＴ３からＭＴ４ではプログラミング言語がガラッと変わったが、ＭＴ５ではそこまで大きな変化はないようだ。


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■ＡＩと自動売買

また世間ではＡＩが大きなテーマとなり、ＦＸでもＡＩやアルゴリズムといった単語を目にする機会が増えている。「ＡＩを駆使した最先端自動売買！」といった宣伝文句も聞こえてくるが。

「ＡＩの定義が曖昧になってきているようにも感じますね。過去の膨大なデータを統計的に処理し、学習させて、未来を予測したりといったことはＡＩが得意とすることかもしれません。私の研究室でも試してみることがありますが、しかし、人がやっても難しいのにどこまでＡＩがうまくできるのか。まだ課題は多いようにも思います」

■ＭＴ４プログラミングを始めるには

それにしても豊嶋さんの最新作『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』の価格は５００円。電子書籍だとして、極端に安い。

「学生のテキストとしても使用するため、手の届きやすい価格にしてあるんです。私の利益？　ほとんどないですよね（笑）」

『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』はＥＡを作成するのに必要なプログラムの具体例がライブラリとして掲載されている。ライブラリを組み合わせるだけでもＥＡが作成できる。

ＭＴ４にカスタムインディケータを入れて利用する人も多いだろうが、「このインディケータ、少し改良したい」といったときには同じく電子書籍の『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』が役に立つはず。


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豊嶋久道のコラムは全4回となっています。
⇒豊嶋久道さん(その1)EAの第一人者は大学教授はコチラ！
⇒豊嶋久道さん(その2)6年前から運用する主力EAはコチラ！
⇒豊嶋久道さん(その3)負けトレードをカットする
⇒豊嶋久道さん(その4)MT5でバックテストする理由

【プロフィール】
豊嶋久道さん
1965年山口県生まれ。1993年慶應義塾大学大学院博士課程修了。工学博士。大学生のころからプログラミングに親しみ、シェアウェアなどを作成、公開していた。２００３年よりＦＸ取引を始め、ＭＴ４による自動売買を手がける。自動売買プログラムの解説書を多数出版するなど、日本を代表する自動売買の論客として活躍。近著に『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』（ともにKindle版）