【FXライター高城のFXで稼ぐ方法は勝者に訊け!】戸田裕大さん(その2) テニス、為替、10年で得た自信
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今週も先週に引き続き、戸田裕大さんについてです。
⇒戸田裕大さん(その1) 元メガバンクの為替ディーラー
⇒戸田裕大さん(その2) テニス、為替、10年で得た自信
⇒戸田裕大さん(その3)人民元は「絶対的な買い通貨」
⇒戸田裕大さん(その4)人民元のクセを利用する
■テニスのトッププレイヤーだった
為替市場をそれなりに理解できた――メガバンクで為替に携わっていながらもそんな自信を得るまでに10年という時間を要した。
「為替であれ何であれ、ものにするには10年は必要なのかもしれません。テニスでもそうだったんです」
大学時代まで戸田さんはテニス選手として活躍していた。高校時代には全国大会の団体戦で準優勝すること2回。アメリカへのテニス留学時代には錦織圭選手とともに汗を流したこともあった。
「僕がテニスを始めたのは8歳。インターハイのシングルスでベスト16に入ったのは18歳でした。結果が出るまでに、やはり10年かかりました」
なぜ、10年なのか。テニスでは「10年やって"型"ができる」と言われるという。
■"型"を身につけるまでに必要な10年
「積極的なネットプレイで攻めて勝つとか、拾って拾って守って勝つタイプだとか、選手にはそれぞれの型があります。そうした自分なりの型が固まるまでには10年かかると言われるんです。僕はサーブが武器ではあったもののトータルではオールラウンダー、よく言えばなんでもできるし、悪く言えば武器がない。それは為替でも同じです。どちらかといえばファンダメンタルズが得意ですがテクニカルも見ながら取引していく。ひとつ決定的な武器があるわけではなく、総合的に為替を見ています」
戸田さんの分析の起点となるのはファンダメンタルズ分析だ。
「分析方法は――でも、その前にいちばん大事にしていることがあります。『わからない通貨は取引しない』ということです。僕は『百聞は一見にしかず』という言葉が好きなんですが、自分がよく知っている国、肌感覚のある国の通貨だけに取引を絞っています。自分が知っている国のほうが情報のアンテナが立ちやすいし、理解もしやすい。結果的に勝ちにつながりやすいと思います」
■収益は人民元が圧倒的
戸田さんがよく知っている国は、日本はもちろん、留学していたアメリカ、ディーラー時代に担当していたユーロ、銀行員時代に4年間赴任していた中国――。
「収益がいちばんいいのは人民元ですし、反対にユーロはそこまで得意ではない。自分が現地に滞在したわけではないのでヨーロッパの人のメンタリティや特徴みたいなものがわからないせいもあると思います。豪ドルはたまに取引することもありますが、人民元と相関しやすいため、『だったら人民元で取引すればいいか』と思っています」
トルコや南アフリカのような新興国の通貨を取引することもない。
「トルコや南アフリカ、ロシア、ブラジルのような新興国は情報が手に入りづらいので基本的に取引しません。また、トルコや南アには実際に足を運びましたが、経済や治安に問題が多そうでしたのでどんなに金利が高くても買いから入ろうとは思いません。」
ファンダメンタルズ分析で苦戦している人は、まず分析対象を絞ってみるのもよさそうだ。
戸田裕大さん(その3)へ続く。
戸田裕大さんのコラムは全4回となっています。
⇒戸田裕大さん(その1) 元メガバンクの為替ディーラー
⇒戸田裕大さん(その2) テニス、為替、10年で得た自信
⇒戸田裕大さん(その3)人民元は「絶対的な買い通貨」
⇒戸田裕大さん(その4)人民元のクセを利用する
【プロフィール】
戸田裕大さん
2007年中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。外国為替業務を10年間担当し、ボードディーラーとして1日数十億ドル/日の取引を執行すると共に、日本のグローバル企業300社、在中国のグローバル企業450社の為替リスク管理に対する支援を実施。現在は「為替から世界を学ぶ」をコンセプトに個人投資家向けの為替セミナーや執筆を行なう著書に『米中金融戦争 香港情勢と通貨覇権争いの行方』。