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今週は、あーるさんについて最終回です。

⇒あーるさん(その1)イナゴ投資で億り人に
⇒あーるさん(その2)考えるイナゴへと脱皮
⇒あーるさん(その3)ポイントは決算
⇒あーるさん(その4)｢誰が買っているんだ｣シリーズ

■決算を見て「しまった！」

決算だけでなく、前述したように個人投資家向けのIRセミナーでの経営者の話しぶりや自信度、チャートから見え隠れする需給もヒントにする。

「マネジメントソリューションズを売った後に手がけたのが、イオレ。インターネット広告の会社です。IRセミナーで話を聞き、中期的な成長性が見込めそうだと思っていました。ただ、そのときには買わなかったんです。長期目線だからまた買い場があるだろう、と」

半年後、あーるさんの目が再び、イオレに注がれる。

「5月に発表された本決算、それにチャートを見て、しまった！と。中期的に強気な見通しが発表されていましたし、チャートを見ても決算発表前から右肩上がりとなっており、『誰が買っているんだ?』と言いたくなる形をしていました」

■右肩上がりのじり高、買い手は誰か

あーるさんが得意とするのが「誰が買っているんだ?!」というパターン。特段、材料がないのにチャートが右肩上がりを描いているパターンだ。

「機関投資家なり個人なり『わかっている人は買っている』ということ。根強い需要があることになりますし、好材料が出れば気づいていなかった人の需要も加わり爆発しやすい。イオレの場合もそうでした」

本決算の発表直後に買ってから2か月、イオレの株価は4000円へ到達した。あーるさんの買値から2倍の上昇だ。

「ある成長株アナリストがブログで取り上げたことでイナゴが飛びつき、過熱感が出ていた。なにかの拍子にイナゴが出口に殺到すると、自分が逃げられなくなる恐れもある。そんな懸念があったため半分売りました。残り半分も決算が思ったほど伸びなかったため売っています」


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■地合いが悪ければ優良銘柄も下がる

マネジメントソリューションズとイオレ、2銘柄が成功したこともあり、あーるさんの資産は2019年に2倍近くに増えた。2020年も順調に資産を増やして資産は1億円に到達した。

「億り人になったからといって、何も変わりません。1億円はマイルストーンではありますが、ゴールではない。今はコロナバブルとも言える相場で、チャンスが目の前にあり、もっと増やしたい、という思いのほうが強い。株は経験値を積めば積むほど勝てるようになりますから」

個別銘柄だけでなくマクロ環境にも目配りしキャッシュポジションを増減させていくのも、あーるさんの特徴だ。

「株式市場では個別銘柄の材料しか見ない人も多いですが、地合いの影響は大きい。私も以前はマクロを気にしていませんでしたが、どんなにいい銘柄でも地合いが悪いと下げる。2018年末のクリスマス暴落では痛い目を見ました。それ以来、マクロも気にしています」

イナゴ投資から成長していったあーるさん。その成長の歩みは初心者の参考になりそうだ。



あーるさんのコラムは全4回となっています。
⇒あーるさん(その1)イナゴ投資で億り人に
⇒あーるさん(その2)考えるイナゴへと脱皮
⇒あーるさん(その3)ポイントは決算
⇒あーるさん(その4)｢誰が買っているんだ｣シリーズ

【プロフィール】
あーるさん
2011年に証券口座を開設するも勝てずに一時撤退。2014年から本格的に投資へ乗り出す。ブログやツイッター、YouTubeなどを情報源としたインフルエンサーのイナゴ投資をもとにして独自のスタイルを開拓。2020年8月に資産1億円を突破し億り人に。