今週も先週に引き続き、あーるさんについてです。

⇒あーるさん(その1)イナゴ投資で億り人に
⇒あーるさん(その2)考えるイナゴへと脱皮
⇒あーるさん(その3)ポイントは決算
⇒あーるさん(その4)｢誰が買っているんだ｣シリーズ

■イナゴで「人生初のストップ安」

インフルエンサーの銘柄を模倣するイナゴ投資で徐々に資金を増やしつつあった、あーるさん。しかし、「内容をろくに見ずに銘柄をマネするだけだった」スタイルで痛い目を見た。

「有名なブロガーがこぞって買っていたので上がるのかなって安易に考えてしまったのが、ウェッジホールディングス。人生初のストップ安でした」

急落の原因は子会社の不適切取引疑惑が持ち上がったことだった。

「イナゴだけで勝てるほど甘くないと痛感しました。インフルエンサーの注目する銘柄をそのまま買わず、自分で調べないとダメだなって」

■転換点になった「鎌倉新書」

ウェッジでの手痛い失敗からイナゴだけでなく、自身でリサーチも行ない、IRセミナーなどにも積極的に参加するようになった。

「IRセミナーで経営陣の話を聞くと、この会社は伸びそうだ、この人はどうも怪しいといったことが見えてきます。それで成功したのが鎌倉新書でした」

ウェッジでの失敗から半年後、イナゴではなくIRセミナーで出合って買った鎌倉新書だった。葬儀や仏壇、お墓など弔事関連のポータルサイトを運営する会社だ。

「葬儀屋やお墓は突然必要となることが多いですよね。値段も不透明だし、業者の言いなりの価格で買ってしまうことも多い。それがインターネットで比較、検討できればものすごい便利だろうと。しかも当時はまだシェアが1、2％しかなかった。これが10%になるだけでも売上は大きく伸びる。社長の話を聞いて中長期的な成長を確信しました」


※クリックで拡大します

■買い方針から空売りへ転換させた質疑応答

あーるさんが買ってから1年後、鎌倉新書の株価は4倍へと急騰した。

「大きなターニングポイントになった銘柄でした。反対にIRセミナーを聞いて、避けたのがあるゲーム情報サイトを運営する銘柄。それまでは買う気満々でしたが、役員の質疑応答を聞いていると『業績はヒット作が出るか次第。ヒット作がなければ業績は伸びない』と消極的でした。むしろ今がピークだろうと空売りしました」

銘柄を模倣するだけのイナゴから、自分で考えるイナゴへと脱皮し、あーるさんのパフォーマンスは上向いていく。

あーるさん(その3)へ続く。

あーるさんのコラムは全4回となっています。
⇒あーるさん(その1)イナゴ投資で億り人に
⇒あーるさん(その2)考えるイナゴへと脱皮
⇒あーるさん(その3)ポイントは決算
⇒あーるさん(その4)｢誰が買っているんだ｣シリーズ

【プロフィール】
あーるさん
2011年に証券口座を開設するも勝てずに一時撤退。2014年から本格的に投資へ乗り出す。ブログやツイッター、YouTubeなどを情報源としたインフルエンサーのイナゴ投資をもとにして独自のスタイルを開拓。2020年8月に資産1億円を突破し億り人に。