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今週も先週に引き続き、Yukiさんについてです。

⇒為替研究所Yukiさん(その1)歴10年超の老舗ブロガー
⇒為替研究所Yukiさん(その2)メインは｢仮説トレード｣
⇒為替研究所Yukiさん(その3)ズロチとユーロのサヤ取り投資
⇒為替研究所Yukiさん(その4)豪ドル/NZドルのレンジ狙い

■クロス円でポーランドズロチ買い、ユーロ売り

スウィングトレードがメインのYukiさんだが、一方では為替市場の「隙間」を狙った手法も並行している。そのひとつがポーランドズロチでのサヤ取り投資だ。マイナー通貨であるポーランドズロチに着目する理由とは？

「ポーランドの政策金利は1.5％。ズロチ/円の買いで１日15円ほどのスワップがもらえることが着目したきっかけでした」

トルコリラやメキシコペソなど新興国の高金利通貨に比べると見劣りする水準だが......。

「たしかに金利水準は劣りますが、ポーランドズロチの特徴はユーロとの相関性が高いこと。対円で『ポーランドズロチ買い、ユーロ売り』を同時に行なうことで為替の変動リスクを抑えることができるんです」


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■ヘッジ目的のポジションでもスワップが受け取りに

ポーランドズロチとユーロを対円で両建てすれば、為替の変動リスクを大幅に抑えられる。だが、それはユーロ/ズロチの売りと同じ。取り扱っているFX会社は少ないものの、取引できないわけではない。なぜユーロ/ズロチで取引しないのだろうか。

「ユーロ/ズロチだとスワップなどの取引条件が悪いんです。しかし、ＦＸプライム byGMOだとズロチ/円の買いで15円の受け取りスワップが、ユーロ/円の売りでも3円受け取りスワップとなります」

2019年３月現在、ユーロ/円のスワップは売りで受け取り。ヘッジ目的のポジションでもスワップがもらえるのだ。

■資金25万円で年利10％が安定的にめざせる

「為替の変動リスクを相殺させるためには取引金額を合わせる必要があります。今だとユーロ/円が124円、ズロチ/円が29円ほどなのでユーロ/円１万通貨の売りに対して、ズロチ/円４万通貨の買いということになります」

合計５万通貨の取引となり１日の受け取りスワップは合計63円となる。必要資金の目安は？

「およそ25万円をイメージしています。このとき実効レバレッジは10倍弱となりますが、値動きの大部分が相殺されるので、2008年以降の値動きで検証してもロスカットされず、スワップだけで年利10％近くをめざせます」

ユーロ/ズロチは2008年のリーマンショック前後に大きく動いたが、その変動に耐えうるなら安心感もありそうだ。



■相関性の崩壊や金利変動がリスク

「為替差益を狙ったり、あるいは含み損が嫌であればユーロ/ズロチのチャートを見ながら上がったところで始めるのがいいでしょう。私もユーロ/ズロチを見ながらトレードしており、先日、4.34まで上昇したところでポジションを増やしました。4.28くらいまで下がったところで一部を利益確定するつもりで、先日も利確しました」


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スワップ目当てで放置してもいいが、リスクも存在する。

「EUの利上げやポーランドの利下げで金利差が縮小すれば受け取りスワップが減るばかりでなく、ユーロ/ズロチが上昇して戻ってこない可能性があります。リーマンショックにも耐えられるように考えてはいますが、それでもリスクはゼロではない。それは意識しながらやっています」

ECBやポーランド中銀の金融政策などには目を配っておこう。

Yukiさん(その4)へ続く。

Yukiさんのコラムは全4回となっています。
⇒為替研究所Yukiさん(その1)歴10年超の老舗ブロガー
⇒為替研究所Yukiさん(その2)メインは｢仮説トレード｣
⇒為替研究所Yukiさん(その3)ズロチとユーロのサヤ取り投資
⇒為替研究所Yukiさん(その4)豪ドル/NZドルのレンジ狙い

【プロフィール】
Yukiさん
兼業投資家。裁量によるスウィングトレードのほか、ポーランドズロチとユーロの相関性を利用した両建てスワップ手法、リピート系発注機能を利用した豪ドル/米ドルでのトレードなど幅広く手がける。2010年に開設した『為替研究所』は現在も続く老舗ブログのひとつ。外為オンラインでも毎週、相場観を公開する。