今週も先週に引き続き、ひふみさんについてです。

⇒ひふみさん(その1)工場勤務のハイレバトレーダー
⇒ひふみさん(その2)原油市場を狙い撃ち
⇒ひふみさん(その3)５分足の下ヒゲを狙う
⇒ひふみさん(その4)出金、即復帰で500万円

■「原油マイナス40ドル」の衝撃

コロナショックで原油市場の暴落を招いた要因のひとつが需給のゆるみだった。在庫統計など原油ならではの指標なども見ているのだろうか。

「見ていませんでした。気にしていたのはトランプの発言くらいですね。３月にもトランプのツイートで動いたことがありましたし、意識はしていました。ただ、発言の内容で取引するのではなく、『そのイベントで価格が動くかどうか』を注目していました」

米原油先物が未曾有のマイナス圏へと暴落した４月21日、ひふみさんにも転機が訪れた。

「原油は下げていましたが『20ドルを割ったらセリクラ（セリング・クライマックス）だろう』くらいに軽く考えていました」

４月21日の夕方、20ドルを割って11ドル台まで急落する。

「その時間は寝てしまっていて取れなかった。そのあと値動きが落ち着いたところで取引していましたが、まったく勝てない。10回、20回と取引しても資金が減り続け、残り1000万円になったところで、もうやめたほうがいいな、と。全額出金しました」

米原油先物が０ドルを割ってマイナスとなったのは、その直後だった。

「もしトレードしていたら、残りの1000万円も失っていたと思います。僕がトレードしていた間は急落してもリバウンドが定期的に起きていた。あの暴落でもリバウンドを取ろうとして手痛くヤラれていたと思います」

■利益1000万円で出金......のはずが

一度は2500万円まで増やしてからの1000万円。悔いはないのだろうか。

「2500万円になったとき、『ここから減った状態で終わるだろう』と覚悟していました。悔いがあるとしたら、やめた日ですね。残り1500万円の時点で一度はやめようと思った。でも、そこでやめられず、さらに500万円減らしてしまった。その後悔は大きいですね」

CFD口座からは全出金し、全資金は今、銀行口座にある。

「チャートを見ていると、ウズウズしますよね......（笑）。でも、これでまた入金したら、ただのバカなので、今は我慢。今回はたまたま成功しましたが、過去には原油での退場も経験しています。次にまたどこかの市場が動き出すのを待って入金します」

目を疑ったのは、そう聞いた翌日だった。ひふみさんのツイッターには取引履歴がアップされていた。

「１時間足が下ヒゲをつけて上げそうに見えたので、入金してしまいました（笑）」


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■１時間で500万円の利益！

撤退宣言からわずか１日。即復帰し、１時間の間に８回のエントリーを繰り返し、500万円ほどの利益をあげた。

「負けて撤退するよりも勝って撤退したほうが、気分がいいですよね。これで本当に引退です。でも明日から12連休なんです。チャートを見るくらいしかやることがない。入金してしまわないか、不安ですよね。ムダなトレードをしないよう、仕事したいです（笑）」


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盛り上がる市場を見極めて短期勝負で勝ち逃げするスタイルのひふみさん。今はどの市場で勝負するのがいいのか――そうやって金融市場全体を俯瞰するのもよさそうだ。

ひふみさんのコラムは全4回となっています。
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⇒ひふみさん(その2)原油市場を狙い撃ち
⇒ひふみさん(その3)５分足の下ヒゲを狙う
⇒ひふみさん(その4)出金、即復帰で500万円

【プロフィール】
ひふみさん
工場勤務の兼業トレーダー。10代後半に見た投資系ニコニコ生放送でトレーダーを志す。20歳になると同時に口座を開き、トレードを開始。株式投資やバイナリーオプション、原油、FXなど折々の盛り上がっている商品、市場へと資金を投じる。一時は20万円の資金を500万円まで増やすも2014年からの原油の下落相場で退場。2020年３月の原油市場では200万円の資金を一時2500万円まで増やす。自他ともに認めるギャンブル系ハイレバトレーダー。