改めて、米国の金融政策を決定する『FOMCの仕組み』を紹介
本日は、改めて!米国の金融政策を決定する『FOMCの仕組み』を紹介します。
米国の中央銀行に相当する機関、FRB(Federal Reserve Board/連邦準備制度理事会)は、2016年12月のFOMCで1年ぶりの利上げに踏み切りました。
さらに2017年3月のFOMCでも政策金利を0.25%引き上げ、2017年はまだあと数回、利上げが予想されています。
そんな政策金利変更の有無を決定するFOMCは、為替の動きに直結する重要な経済イベントです。
というわけで、改めて『FOMCの仕組み』について調べてみました!
まずFOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本の日銀金融政策決定会合にあたります。
原則として、6週間毎の火曜日に年8回開催され(2日間の場合は火曜と水曜)、2017年は1月、3月、4月、6月、7月、9月、11月、12月に予定されています。
<参考記事>
⇒2016年&2017年★主要各国、政策金利・発表スケジュール(※最終更新→2017年4月15日)
現在の参加メンバーは、FRB議長とFRB副議長を含む5名のFRB理事(※)と、12名の地区連銀総裁の合計17名です。
(※FRB理事は本来7人で構成されますが、現在2つが空席となっています)
ただし、このうち金融政策変更の有無を決める投票権を持つのが、5名のFRB理事全員と、5名の地区連銀総裁の合計10名です。
FRB理事とニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持っていますが、残り4名の地区連銀総裁のメンバーは1年毎に変わります。
ニューヨーク連銀総裁を除く11の地区連銀が4つのグループに分けられ、毎年、各グループから1名の地区連銀総裁に投票権が与えられます。
金融政策の変更は、投票権を持つ10名の多数決となるため、この10名の金融政策に対するスタンスが重要となります。
物価を重視する政策スタンスで、利上げにも前向きなのが「タカ派」。
景気を重視する政策スタンスで、利上げに対して慎重なのが「ハト派」と呼ばれています。
また、タカ派でもハト派でもない「中立的」なスタンスを取るメンバーもいます。
投票権を持っているメンバーの講演等においては、その発言内容がタカ派寄りなのかハト派なのかも注目ポイントです。
2017年のFOMCメンバーは、固定メンバー6名のうち4名がハト派、残り2名が中立、4名の連銀総裁のうち2名がハト派、1名がタカ派、1名が中立となっており、過半数がハト派という構図になっています。
ちなみに、ムニューシン米財務長官は、現在空席となっている2名のFRB理事を指名する意向を示しており、投票権を持つことになるその2名の政策スタンスも気になるところです。
トランプ政権が低金利を好むことから、新しい理事にハト派ヨリの候補者を指名する可能性も考えられます。
さらに、イエレンFRB議長の任期は2018年2月までとなっていますが、トランプ米大統領がイエレン氏を再任するのか、新しい議長を指名するのかも、今後の利上げペースを左右する上で重要となるでしょう。
引き続きFOMCメンバーの陣容や、各メンバーの政策スタンスに注目です。