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今週も先週に引き続き、農家暴威さんについてです。

⇒農家暴威さん(その1)そのとき地獄の扉が開いた
⇒農家暴威さん(その2)地獄の銘柄リスト
⇒農家暴威さん(その3)資金が尽きたら「ロレックス入金」
⇒農家暴威さん(その4)農家スパイラルから学ぶこと

■参入直後から下落トレンドへ転換した米国株

投資を始めてから300万円ほどにふくらんでいた損失は2021年の年末にゴールドを利益確定し、収支トントンのレベルまで持ち直した。

「ところがそれが地獄の入り口だったんです。年明けからはダウ平均やナスダック総合指数など米国株指数のCFDを取引するようになりました。急落していたからです。それまでの米国株市場は『下がれば押し目』。拾っていれば儲かる相場が続いていました」

今回もまた上がるだろうと農家暴威さんがロングしたのは歴史的な高値圏だった。

「それまでは『下がったら上がる』だったのが『下がったら下がる』へと変わる節目でロングしてしまい、えらいことになりました。せっかくゴールドで稼いだ資金をすべて溶かしました」



■天然ガスに見た億の夢

農家暴威さんはゴールドを皮切りに地獄の扉を次々にノックしていく。

「GMOクリック証券のYouTubeチャンネルで知ったのが天然ガス。数万円を億にした、なんて話を聞いて刺激を受けました。しかも天然ガスは証拠金が安く2000円もあれば取引できる。米国株指数で激減した資金でも取引できて、ボラティリティが高いなんて、と」

勇んで天然ガスの扉を全力でノックした農家暴威さん。数万円の資金はあっという間に200万円へと膨れあがった。ところが利益確定しないままに急落し、あえなくロスカットに。

「利益確定の指値を入れておいたのですが、わずか数セント届かずに急落、急落、急落。叫びました。あの指値に届いていたらトータルのマイナスは100万円くらいで済んだのですが......」

しかしまだ資金は半分残っていた。

「すかさずショートを入れると思惑どおり下がってくれた。ここが底だろうと利益確定し、再び買いました。ところがさらに急落し、ロスカット。腹が立ってさらにショートしロスカット。その繰り返しで資金は残り5万円まで急減しました」

残り資金が10万円を切ってくると農家暴威さんの帰巣本能が働く。投資を始めて最初にさわった商品であるバイナリーオプション（BO）だ。

■コーンに呼ばれた感じがした

「残り数万円になるとヤケクソになってBOを取引するんです。うまくいけば資金はあっとうまに10倍になってくれる。成功体験が何度かあり、自暴自棄になると、その記憶が頭の片隅によぎるんです」

最初に取引していたのは為替のBOだったが、やがて株価指数のBOも取引するようになった。「為替に比べて株は方向性がわかりやすい」からだが、「トータルの収支はマイナス」だ。

そんな農家暴威さんに呼びかける穀物があった。

「コーン（とうもろこし）ですね。ボラティリティが高く、大きなニュースがなくても月曜日には窓が開くんです。自分が呼ばれた感じがし、そそられました」

日々のボラティリティは天然ガスに劣るものの、たしかにコーンは月曜日に窓を開けることが多い。こうして農家暴威さんが主力とする銘柄が固まっていった。

農家暴威さん(その3)へ続く。

農家暴威さんのコラムは全4回となっています。
⇒農家暴威さん(その1)そのとき地獄の扉が開いた
⇒農家暴威さん(その2)地獄の銘柄リスト
⇒農家暴威さん(その3)資金が尽きたら「ロレックス入金」
⇒農家暴威さん(その4)農家スパイラルから学ぶこと

【プロフィール】
農家暴威さん
専業農家。バイナリーオプションをきっかけに投資を始める。資金が完全に枯渇するまで負け尽くし、トレードアイランドでは毎月のように「収益率 -100％」を記録する。取引銘柄はBOのほか、シルバーや天然ガス、コーンなどのCFD、FXなど。入金力の源泉は家計を握る奥さんからのお小遣いと借り入れ、時計コレクションの売却。趣味は散財。