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今週も先週に引き続き、とあるGAFA勤務さんについてです。

⇒とあるGAFA勤務さん(その1)｢GAFA×プロップ｣は本当か?
⇒とあるGAFA勤務さん(その2)四本値を分類する｢3要素｣
⇒とあるGAFA勤務さん(その3)50万件のデータを分析
⇒とあるGAFA勤務さん(その4)時間限定デイトレで月利5％

■ランダムウォークからの逸脱を探す

とあるGAFA勤務さんの分析方法は独特だ。チャートは使わず、Googleスプレッドシート（表計算ソフト）とひたすら対峙していく。

「データ分析は統計分析ソフトの『R』を使いますが、今回紹介するような分析ならGoogleスプレッドシートやエクセルで充分です。とはいえ使うデータ量は多い。主要通貨ペアについて過去5年分、約50万件の四本値をGoogleスプレッドシート（表計算ソフト）に入れて分析しています」

とあるGAFA勤務さんが分析の目的とするのは、何らかの理由でランダムウォーク（予想不可能な偶発的値動き）から逸脱した通貨ペアと時間だ。

■「どの時間に動きやすいか」を見る

「まず出来高をともなって1時間足の一方向へ強く動いた時間を探します。とはいえ為替市場では正確な出来高が手に入りにくいため、メタトレーダー4の出来高にあたるティックボリュームで代用します」

詳細な計算方法は非公開とのことだが、作成された米ドル/円・第3水曜日のグラフは下記のようになる。縦軸が示すのは値幅、横軸は時間だ。時間については夏時間、冬時間の混乱を避けるため、東京（T）、ロンドン（L）、ニューヨーク（N）が始まってからの時間数を基準に表記されている。


※クリックで拡大します

「このグラフでは箱ひげの位置が上にあるほど、強い方向性があり、なおかつ出来高も大きかった、ということになります。この場合だとT1（10時）やL1（17時）、L6（22時）、N1（24時）などで箱ひげが上にあり、狙い目となります」

■非ランダムな値動きがあるのか?

このグラフだけだと狙うべき時間は絞れるが、どんな値動きをしているのか、その性質まではわからない。そこで次のグラフでは値動きにどんな傾向があるのか、1時間足の中身を細かく見ていく。


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「値動きが正規分布に従った場合を想定したのが青いライン、赤いラインは実際の過去の値動きです。2本が近い位置にあれば実際の値動きが正規分布に沿っており、チャートパターンも水平線での分析も無意味だということになり、エントリーしても優位性はありません。ただ左端の部分では赤い線が青い線から離れていますよね。非ランダムな動きをしやすい傾向のあることがわかります」

このグラフの右側で赤い線が上に乖離していれば順張り方向優位、左側で赤い線が上に乖離していれば逆張り方向優位を示している。順張り・逆張りの基準となるのは前日に動いた方向だ。前日の日足が陽線なら順張りは上昇、逆張りは下落となる。

「今回のグラフで非ランダムな強い動きを示していたのは左端の部分でしたから、逆張り方向優位です。この日の前日は陽線だったため『17時台は下に動きやすい』ということになります」

この時点で、『17時台に米ドル/円を売りで入る』と戦略の概要が決まる。このあとは、どうエントリーするか、どのくらいの値幅を狙えるかと、さらに細かく分析していくのだが、その方法論は次回聞いてみよう。

とあるGAFA勤務さん(その4)へ続く。

とあるGAFA勤務さんのコラムは全4回となっています。
⇒とあるGAFA勤務さん(その1)｢GAFA×プロップ｣は本当か?
⇒とあるGAFA勤務さん(その2)四本値を分類する｢3要素｣
⇒とあるGAFA勤務さん(その3)50万件のデータを分析
⇒とあるGAFA勤務さん(その4)時間限定デイトレで月利5％

【プロフィール】
とあるGAFA勤務さん
大学院時代、学費の足しになればと日経225先物のトレードを開始。世界的大手コンサルティング会社への就職後は一時トレードを休んでいたが2019年から再開。現在はファンド2社のプロップトレーダーとしても資金を運用する。独自のビッグデータ分析から値動きのクセを見出し、最長50分の時短トレードで利益を積み重ねる。ツイッターでは日々の戦略を分析グラフとともに解説する。