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今週は先週に引き続き、芳賀勇人さんについてです。

⇒芳賀勇人さん(その1)ディーラーへ転身したインフルエンサー
⇒芳賀勇人さん(その2)カナダでの銀行勤務
⇒芳賀勇人さん(その3)ヘッドラインの読み解き方


■「動いた理由」がわからないことはほぼなくなった

個人でも契約できる情報ベンダーの端末が主力だった芳賀勇人さんの情報環境は、トレイダーズ証券に入社したことで大きく変わった。

「『為替市場が動いたが理由がわからない』ということはほぼなくなりました。ディーラーとなったことの恩恵で、さまざまな情報ベンダーにアクセスできるようになったためです。ロイターにもブルームバーグにもヘッドラインがなければ節目の攻防や市場のフロー（資金の流れ）で動いたのだろうと判断できる。申し分ない情報環境です。市場が急変したときは『みんなのFX』の公式アカウントを見てもらえれば理由がわかる、というところまで投稿内容を充実させたいと思っています」

１日に流れるヘッドラインの数は膨大。そのすべてを芳賀さんはポストするわけではない。

「ポストするかしないかは『値動きに影響するかどうか』が基準。どんなヘッドラインであれば市場に『効く』のか、ポストしているうちにだんだんとわかるようになってきました」

■ヘッドラインは「鮮度とテーマ」

効くヘッドラインとは？

「ひとつはニュースの鮮度です。繰り返しではなく、耳新しいヘッドラインのほうが市場は反応します。そこにインパクトのある英単語がヘッドラインについていると、さらに反応しやすくなります」

もうひとつは、市場のテーマだという。金融政策や選挙、地政学リスク――そのときどきで市場が注目しているテーマは異なる。

「重要そうなヘッドラインでも市場のテーマから外れていれば市場は反応しにくくなります。そうしたこと考えながら、値動きにインパクトを与えそうなヘッドラインを流すようにしています」

▼市場に効くヘッドライン
・新しい情報である（繰り返しではない）
・市場のテーマに即している

■ヘッドラインの「木と森」

ただ値動きにインパクトを与えるといっても、その与え方には２種類あると芳賀さんはみている。

「短期的なインパクトを与えるヘッドラインと、長期的に影響するヘッドラインです。ミサイルやテロなど地政学リスクに関するヘッドラインは比較的、短期で消化されることが多い。それに対して、財政出動や金融政策などの話は直後に反応しなくとも長期トレンドを生み出すことがあります」

日々のトレードの中では短期的に反応するヘッドラインばかりを追いかけてしまうが、それだと市場の大局を見失うこともある。

「ファンダメンタルズ分析では背景も重要です。背景がわかっているからこそ、個々のヘッドラインにフォーカスできる。『木を見て森を見ず』と言いますが、FXでもまずは森を見てから木を見る。木ばかりを見ていると全体像がつかめません。森となる背景知識が備わっているかどうかで、情報の取り方や取り組み方は変わってきます」

芳賀勇人さん(その4)へ続く。

芳賀勇人さんのコラムは全4回となっています。
⇒芳賀勇人さん(その1)ディーラーへ転身したインフルエンサー
⇒芳賀勇人さん(その2)カナダでの銀行勤務
⇒芳賀勇人さん(その3)ヘッドラインの読み解き方
⇒芳賀勇人さん(その4)12/27(金)公開予定！

【プロフィール】
芳賀勇人(@Yuto_Headline)
大学生時代に開設したXアカウントでニュース速報を発信。フォロワー数11万人を超えるニュース系アカウントの定番となる。大学卒業後、3年間のカナダ留学を経て帰国し、現在はトレイダーズ証券で為替ディーラーとして研鑽を積む。個人アカウントとともに「みんなのFX」公式アカウントを通じても情報を発信中。