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今週は、岐阜暴威さんについて最終回です。

⇒岐阜暴威さん(その1)「逆神」と呼ばれて
⇒岐阜暴威さん(その2)アベノミクスでの栄光と転落
⇒岐阜暴威さん(その3)実家暮らし、彼女いない、友だちいない
⇒岐阜暴威さん(その4)みんなの愛で暮らしたい

■「本当に勝ちたい、でも負けている...」

常に市場の流れに反する含み損のポジションを持つ「逆神」と呼ばれる人は多くいるが、中でも岐阜さんは筋金入りだ。

「逆神と呼ばれるのはぜんぜん構わない。儲けている、儲けていないはおれだけの話。誰がどう言おうが関係ない。注目される気持ちよさはありますが、でも、本当に勝ちたい。勝ちたいのに負けている――」


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■34歳、資産12万円で始めたYouTube

なぜ勝てないのか、自己分析は済んでいる。

「逆神と言われる人のほとんどが利益は微益で決済し、含み損はマックス、追証まで耐える。そんなスタイルで資産が増えるわけがない。わかってはいるけど、『お金を減らしたくない』というのが大前提としてあって、とくにおれには今まで負けたお金がたくさんあるので、『これ以上減らせない』という思いが強い。そうすると損切りできなくなる」

去年10月、岐阜さんの資産は12万円まで減少した。

「34歳にして資産12万円......なりふり構わず、『お金をください』、『みんなの愛を待ってます』と言ったら10万円ほど入ってきた。今はありとあらゆる手段を使って、『みんなの愛で支えてもらう』ということをやっています」

支えてもらう手段のひとつがYouTubeチャンネルだ。

「YouTube収入は広告と投げ銭で月4、5万円程度。6万円くらい行く月もありましたが、コロナショックでYouTube全体の広告単価がガツンと下がりました」

■「トレーダーには向いていない」

YouTubeは投資の指針ともなっている。

「今のメインは個別株。ただ自分で判断すると負けるのでリスナーの判断に任せています。ところがリスナーが進めてくる銘柄がゴミっていう......。4銘柄買えば、ひとつくらいはいいのがあるはずなのに全部下がる。3日前にも追証を食らったばかりです」

そこに「闇の勢力」の気配すら感じるという。

「いい銘柄もたくさんあるのに掴まされるのはリバウンドには皆目反応しない下がるだけのゴミ株。おかしいなっていう。時価総額が100億円もないような銘柄だと、下手すれば数100万円もあれば1％、2％くらい崩せる。大口が『今からさばくぞ』というときに教えてるんじゃないかって疑いたくなります」

15年に及ぶキャリアで勝っていたのは、アベノミクス後の3年間だけ。トレーダーとしての適性について、どう考えているのだろうか。

「向いていないですよ。後に引けないからやっているだけ。10年スパンで見てもコロナショックやリーマンショック、バイオバブルの崩壊とか、いろいろ落とし穴がある。長い視点でコツコツできる人が投資家向きなんだろう思います」

■投げ銭と投資で暮らす自給自足生活

岐阜さんが見据えるのは5年後、40歳のイメージだ。

「今の目標は40歳までに2000万円。今働いている会社を辞めて投資しながら田舎でみんなからアイテムやおひねりを送ってもらいながら野菜を作って食べるという生活です。今もamazonのギフト券や欲しい物リストの商品はいろんな人から送ってもらっている。本当に感謝しています。中には送り主をふざけた名前にする困った人もいるんですが......。親に『中大兄皇子から荷物が届いてるわよ』と言われたときには怒りに震えました(笑)」

岐阜さんは逆神として、損益のすべてをさらす投資家として稀有な存在だ。

「つくづく感じるのは『逆理論』で攻めるしかないということ。僕がめざすのはみんなとは違うゴール。投資で勝てないならフォロワーからもらうしかない。おれのように生活も投資もほとんどすべてをさらして、頭もハゲて、そんなやつってレアだと思う。みんなの愛で暮らしているって思います」

岐阜暴威さんのコラムは全4回となっています。
⇒岐阜暴威さん(その1)「逆神」と呼ばれて
⇒岐阜暴威さん(その2)アベノミクスでの栄光と転落
⇒岐阜暴威さん(その3)実家暮らし、彼女いない、友だちいない
⇒岐阜暴威さん(その4)みんなの愛で暮らしたい

【プロフィール】
岐阜暴威さん
兼業投資家。2006年、現物株を入り口にして投資を始める。ライブドアショックやリーマンショックなどで退場を経験するも、アベノミクス株高で成功を収め専業投資家へ。その後、再び退場となり再就職。現在は岐阜さんが買えば下がり、売れば上がる「逆神」としてツイッターなどのSNSで注目を集める。YouTubeチャンネルでの活動も話題に。